ロスト・パラダイス

日記

僕はこの2年くらい、サウナによく行っていた。しかし、誠に残念なことに、僕がこよなく愛していたサウナは、近年のサウナブームによって客が増えすぎてとてもくつろげる環境ではなくなってしまった。楽園は失われたのだ…

「サ道」

「サ道」という言葉を知っているだろうか。サとはサウナのサである。今年7月からテレビドラマ化もされて、数年前には漫画化もされたが、僕は文字だけの本の時からタナカカツキ先生の「サ道」に触れている。確か当時は、都内の銭湯めぐりにハマっていた頃、その関連としてサウナにも関心を持ったのがきっかけだったと記憶している。

それまでただ暑いだけの空間だったサウナの主役は水風呂であり、複数回セットを繰り返すことで自律神経が「ととのう」感覚は素晴らしい。僕は銭湯だけでなく、良いサウナを探し回るようになった。

サボリーマンの主力兵器

僕は営業職なのだが、激ゆるな会社に所属しているので数字にも追われない。かといってガシガシ新規開拓するような商材でもなく「店番」に徹するような仕事だ。ゆえにサボり散らかすのが週の半分くらいなのであるが、日中、3時間で1000円のサウナによく行っていた。

僕はサウナをサボりレベル2とし、普段使いができる便利かつお手頃なサボりとして紹介した(★2レベル)。前日、ちょっと夜更かししてしまったり、飲み会で飲み過ぎちゃった翌日なんかは出社したらソッコーで会社を出て10時くらいにサウナに行って休憩室で寝ていた。都心にあるサウナは移動時間が少なくて、ありがたかった。

今、会員証を見たら2017年12月に入会して約60回利用してた。まぁ、結構行ったな感はある。

ロスト・パラダイス

今年の7月、テレビドラマ「サ道」が放映されてから、僕が気に入っているサウナは混み始めた。以前は数えるくらいしか人がいなかったのに、徐々に人口密度が増えていったのだ。まず、入館時に靴箱のキーがぶら下がっている量が少なくなった。つまり、入館している人が多いということ。さすがに、入れないということはないが、「え?こんなにキーが挿さってないなんてこと、あったっけ?」と思ったものだ。

そしてサウナに行くと、かつてはガラガラだったサウナがぎっしりになっている。というかもはや段に座れなくて、最下層の床にいる人すらいる。そして残念なことに、人の出入りも頻繁なので、ドアが開け閉めを繰り返されて、サウナが涼しくなっちゃっている。絶え間なく人がバタンバタンと出たり入ったりするから、熱がこもらない。

水風呂も…なんか濁っている。そして水温も高めだ。そりゃあ、あれだけの人数が出たり入ったりしたら、そうなるわな…。そしてサウナのインターバル休憩ポイントのベンチも…余裕で埋まっている。以前はガラガラだったスペースが、ここもギッチリだ。店側も、椅子を増設しているのがわかったが、全然追いついていない。休憩のイス難民が続出してウロウロしている。

極め付けはサウナを上がった後の、休憩所だ。立て看板がある…「只今、休憩室は満員となっております。申し訳ありません」なんだこの看板は?この2年間で初めて見たぞ…

終わったな。

僕の楽園は、終わったんだ。

誰も悪くない

前項で述べた様々な不都合は、実は誰も悪くない。皆等しくお金を払って入場しているし、サウナに入ったり出るタイミングも各人の自由だ。水を濁らせたりしてしまうのも、不可抗力だし僕だって汚してる。休憩所を占有するのだって、各人の権利だ。そう誰も悪くないのである。お店だって悪くない。質は落としていないし、むしろイスを増設したりしている。

そう、ただただ、客が多すぎるというだけなのだ。

コスパの低下

さらに消費税増税のタイミングで、サウナが値上げを実施した。3時間で1000円ならむしろコスパ良好な部類だったが、これが数百円上がることによって、急激にコストパフォーマンスが悪化した。200円ならトントンだったと思う。が、それ以上の上がり幅だった。致し方ないこととは思いつつも、先述の激混みもあり、コスパは悪いと言わざるを得ない。しかしこの値上げにより客足が遠のけばあるいは…とも思ったが、あくまで推測だ。

天のお告げ?

これまで僕はサウナを、営業サボりの手段として、疲労回復手段として使ってきた。当然ながら、サウナに入っている間はこのようにブログを書くことはできない。紙とペンも持ち込めない。サウナに集中するしかない。それはそれで良いのであるが、今の僕は、サウナで休むよりも創作活動を優先すべきだと、薄々思ってはいた。

今回の客の激増は、そんな僕に「サウナへの執着を捨てよ」という、天のお告げなのかもしれない。「サウナをやめ、創作活動に集中せよ」と。

思えば、先述のように2年で60回もサウナに行った。もういい加減飽きつつもあった。良いではないか、卒業すれば。そしてテレビドラマを見てサウナに目覚めた人たちに、譲ろうではないか。そして僕は創作活動・執筆活動に全力投球していくーーーそれで良いではないか。

そんな風に自分を納得させて、サウナへの未練を断ち切るヤコバシなのであった。

…それもこれも人が多すぎる東京にいるからなんだよな。東京は人口過密だ。

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