ストレスチェックという茶番

日記

勤務先で「ストレスチェック」なるアンケートが毎年、実施されている。茶番オブ茶番だなぁと思った感想文を書き残しておく。

ストレスチェックの概要

ストレスチェックは、約30のアンケートに4段階で回答する。

例えば「仕事量が多すぎて大変だ」に対して、

1、とても当てはまる

2、やや当てはまる

3、あまり当てはまらない

4、全く当てはまらない

これらにマークをして回答する。これを封筒に封をして総務部に提出、それを総務部は外部の第三者機関に提出し、結果を受け取り、回答者にフィードバックする、というものだ。ちなみに健康診断と同じようなもので、会社側は結果(点数)を見ることができる。

現代の踏み絵

質問の内容は主に仕事量や体調、職場の人間関係に関するもので、かなり直球である。厚労省の公式資料を添付する。

  • 非常にたくさんの仕事をしなくてはならない
  • 勤務時間中はいつも仕事のことを考えていなくてはならない
  • 職場の仕事の方針に自分の意見が反映できる
  • 仕事の内容は自分にあっている
  • 働きがいのある仕事だ
  • 元気がいっぱいだ
  • 内心腹立たしい
  • ひどく疲れた
  • へとへとだ
  • きがはりつめている
  • 胃腸の具合が悪い
  • 悲しいと感じる
  • よく眠れない
  • 上司には気軽に相談ができる

このように深層心理を探るのではなく、ド直球の火の玉ストレートに「職場や仕事つらくないか?」という質問がなされる。「へとへとだ」に「1、とても当てはまる」など答える人いるのだろうか?と思うようなアンケートで、茶番である。まさに現代の踏み絵だ。

これで「職場環境が悪い」とか「オーバーワークで体調を壊しています」という回答をしたら管理者側に要注意人物としてマークされるだろう。というか、実際にいた(後述する)。

企業側のエクスキューズ

結局のところ、企業というのは「壊れにくい奴隷」を欲している。会社という利益発生マシーンを運用するための部品が、労働者だ。その部品は、丈夫で壊れにくく、文句を言わない者が好ましい。そうでない部品は、排除する必要がある。その発見装置としてこのアンケートを実施する。

しかし労働者もこれが踏み絵だとわかっているから、実はキツイなと思っていても「大丈夫です!」と回答をする。それを見て、企業の上層部は「ウンウン」と喜ぶ。なぜなら、このアンケートを実施したことにより企業側は「ちゃんとストレスチェックやりましたよ?」というエクスキューズ(弁明・言い訳)を得ているからだ。企業だけでなく、国家にも「ちゃんとストレスチェックしてたし」というエクスキューズを与えている。

まったく、管理者というものはこういうところが汚いなとつくづく思う。

正直に答えちゃった人の話

僕の先輩は、大型の顧客を担当しているので残業も多く、リアルに営業の仕事をこなさないといけない立場にある。そんな彼が踏み絵だとは知りつつも、ちょこっと正直に答えたところ、大問題になってしまった。

このストレスチェックは点数で結果報告がなされるのだが、他の「優良な奴隷たち」に比べて著しく点数が低いとして人事部による事情聴取が実施されたとのこと。上層部ではかなり話題になったらしく「アイツに営業の仕事やらせて大丈夫か?」と配置換えの示唆までなされたようだ。人事との面談で「イヤイヤ!全然大丈夫です!」と釈明し、その場はおさまったようだが、上層部には「要注意」としてマークされたことは間違いない。悪い目立ち方をしてしまった。

そもそも、そのような面談をして「イヤイヤ!全然大丈夫です!」と言わせるのもまた茶番だ。「ちゃんと面談もしたよ。その上で本人が大丈夫といったんだよ」というエクスキューズを会社に与えただけだった。もし仮に過労で倒れたとしても、会社側はエクスキューズを使うことができる。社内にも、社外にも。

このストレスチェックは、労働者のためではなく、会社や国家のための制度なのだ。

僕ですか?

もちろん満点に限りなく近いハイスコア奴隷です♡笑

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