最近、雇われ人仕事をしている中で「あぁ〜やっぱり化学メーカーって強ぇなあ」と痛感する出来事があった。
いま、北米の寒波や世界中の化学プラントのトラブルで原料が高騰している。
僕の勤務先も値上げを飲まざるを得ない。
そして僕らも価格に転嫁せざるを得ず、お客様も飲まざるを得ない。「値上げ飲んでもらわないと、
来月から入れられませんよ」これが強い強すぎる。
だから強気に値上げに赴ける。— ヤコバシ (@yakobashi01) March 23, 2021
いま、世界中で化学品の工場がトラブルでストップして、供給不足に陥っている。
そのように、材料が足りない状況になると、供給する側の立場が強くなる。
僕の勤務先は川の流れで言うなら「中流」に位置する会社なので、さらに上流のメーカーから
「この値段でないと売れませんよ」と言われた値段で泣く泣く買っている。
そして、僕らはさらに下流に位置するお客様に向かって
「原料が値上がりしたから僕らも値上げするね。ごめんね」
と値上げしちゃうのである。
そしてそれに協力してくれないお客様には「そう…」と言って供給を止めることをほのめかしていくのだ。
強い、強すぎる。
営業利益 イズ ジャスティス
そして最近、またご相談をいただき、そのご相談の内容を精査していく中で感じた。
化学業界に属していても、儲かってない会社は結構あるんだな、ということに。
先述の川の流れの例で言うならば、中流〜下流のやや下流よりに位置するような会社はどうしても売値が安くなりがちで、したがって儲からないようである。
営業利益は何もごまかせない。
やりがいとか、定時帰りとか、アットホームな職場とかウルセェし、何に重きを置くのかは自分が決める。
就業条件も信用できない。実情はいくらでも嘘つける。
ただ、儲かっている会社ならば、その言、少しは信用できる。
高い給与も多い休みも、全ては利益率に立脚する— ヤコバシ (@yakobashi01) March 26, 2021
僕はこれまで本ブログや転職ブログ、営業ブログ、聖帝サウザー師匠の白熱教室でも一貫して
「儲かっている化学メーカーの営業職がおすすめ」と主張してきた。
先日の記事で、コロナによって「面談」が封じられたために営業職としてのアドバンテージ(大量のサボり時間)が失われたと述べたが、それ以外の点は相変わらず守られている。
すなわち会社の安定性と、そこそこ高い給与水準と、勝手に毎月売れるからお気楽でいられるという点だ。
しかしこれを裏打ちするのは「儲かっている」という要素である。
僕がこれまで「化学メーカー営業職」とだけ述べずに、あえて「儲かっている化学メーカーの営業職」と「儲かっている」を極力省略してこなかったのは、ここに理由がある。
どんなときでも、儲かってさえいれば、余裕が出る。
儲かっていなければ、経営者は社員に鞭を振るうし、サービス労働力・時間も要請する。
これは当たり前のことなのだ。
『キツい営業ラクな営業』プロローグ
そのことを今一度、僕は親愛なる読者・フォロワーの皆様に知ってほしく思う。
「儲かっている=ラク」という当たり前の図式が、アタマではわかっていても、なんだかフンワリしていて、よくわからないと思う。僕もそうだった。
しかし、実際に数字で比較してみたり、なぜラクなのか、キツいのか、要素をひとつひとつ分解して、分析してみれば、その理由はわかってくる。
僕はブラック営業も、ホワイト営業も経験してなぜブラック・ホワイトになってしまうのかを研究した。
その集大成が昨年の今頃リリースしたこの『キツい営業ラクな営業』だ。
今更だが、キンドルでは最初の10%までお試しで読める機能があったことに気がついたので、その部分のみ、本記事でも掲載しようと思う。
僕はリーマンショック後の不景気に就職活動をした。
この書籍を書いていたときにはコロナによってこんなに不景気になるなんて思っていなかった。
そういう時代にこそ、ブラックははびこる。
少しでも多くの人をブラックに入るリスクから救いたいと思って、この電子書籍を書いた。
では、はじまります。
キツい営業 ラクな営業
さんざん悩んだ男が見つけた営業の真実
プロローグ
私は文系MARCHの大学生だった。体育会でもないし、留学もしていない。テニスサークルで飲んでばかりいて、飲食店と学習塾でバイトをしていた。資格は普通免許のみ。そんなザ・量産型の文系大学生だった。’00年代後半は、団塊の世代の引退があるから、就職活動は売り手市場だという風説があった。「就活楽勝じゃん!ラッキー♪」と思って、ノンキな大学生活を送っていた。
しかしリーマンショックを引き金に発生した世界的な大不況に巻き込まれ、日本も一気に不景気になった。1つ上の先輩の代は「内定取り消し」が社会問題になった。私はその直後の2010年に就職活動をすることになった。名だたる大企業が採用枠を半減させ、中には「今年は採用を見送る」と発表する企業も出てきていた。
同時に、私の周りの大人たちにも不景気の波は押し寄せた。親戚に某大手家電メーカーに勤務の人がいたが、子会社に出向(後に転籍)になった。近所のおじさんは早期退職に応じて退職し、警備員の仕事をするようになった。私はこれを見て大変おそろしくなった。力のない人は、容赦なく戦力外通告されてしまうのか、と。
仮に会社が潰れなくても、自分が安全かどうかは、自分の力次第なんだ――そう考えた私は、自分に力を付けなくてはと思った。しかし、どんな力を付けるのか?と考えたときに、選択肢がほとんどない事に気が付いた。
周りには会計士や宅建士、公務員の資格勉強を何年もしている友達もいた。広告研究、メディア研究、マーケティング研究などに取り組んでいる友達もいた。海外に語学留学してTOEICで高得点を獲得したり、既に長期インターンシップに参加している友達もいた。
私には――何もなかった。
まさに量産型のしょうもない文系学生だった。しかし何とかしなくてはと思って、適当に人気企業にエントリーをしてみるけれど、志望動機が思いつかない。そもそも大企業でも安全ではないと考えていた私には「とりあえず大手」という選択肢はなかった。いろんな会社を見ていく中で、ようやく気が付いた。
「あっ、俺って…営業マンになるしか、ないじゃん」と。
文系の大学生になった時点で、十中八九、営業マンになるしかない宿命を背負うことに、その時ようやく気が付いた。となれば、営業マンとして戦力外通告されないためには、自分に「営業力」を付けるしかない。当時は、答えが明確になったと喜んだものだった。「営業力を身に付けたい」これが私の就職活動の軸になった。
営業力を付けるには、会社の看板に頼ってはダメだ、メジャーな会社ではダメだと思って中小企業を探すようになった。営業力を付けるには、新規開拓が中心の営業職だ。できれば、社会的意義のある良い商品を扱いたい。あと潰れても困るから、規模は小さくても財務状態が良好な会社を選ぼう。
そんな私の就職活動は、周りの友達とは180度違った活動になった。多くの友達は、より大きな会社、より潰れなさそうな会社にエントリーしていた。多少の苦戦はありながらも、中堅企業や大企業の関連会社などに就職していった。そんな中、私は誰も知らない会社に内定した。周りの友達は内定先の名前を楽しそうに語り合うけれども、私はちょっと恥ずかしかった。
皆の就職先が、聞いたことがある社名で説明不要な会社ばかりなのに、私はちょっとした説明をしなくてはならなかったからだ。それでも、私は自分の選択が正しかったのだと信じていたから、社会人になることが楽しみだった。
「営業力を付けて、どんな会社にも必要とされる人材になるんだ」
と鼻息が荒かった。今思えば「キミはなぜ、人に使われることにそんなに一生懸命になっているんだ?」と説教したくなる。
こうして「営業力がつくであろう会社」に入社したわけだが、私はそこでものすごく悩むことになる。
――売れない。全然売れない。
なぜ私は売れないのか、自分を責めた。それは私に営業力がないからだ。稼動が足りないからだ。人間的な魅力が足りないからだ―――私は自分を責め続けた。上司にも怒られた。
売れないのは私のせい、私の努力不足。商品が悪い、顧客が悪い、景気が悪いと弱音が浮かんでくるたびに、私はそれは言い訳だと飲み込んだ。全部自分のせいだろと自分に厳しかった――というか、そう考えるように「調教」されていた。周りの同期たちは一人また一人と売れずに脱落していった。辞めた者は根性なしだと上司はなじった。私もそう思っていた。
なぜ売れないのか、毎日悩んでいたから、営業に関する本もたくさん読んだ。しかし、有効な答えはあまり見つからなかった。スゴ腕営業マンのテクニック集や、売れる営業マンの行動を真似してみたけど、効果は少なかった。というか参考にならないものが多かった。しかしながら、それは当たり前のことだった。業種も商品も客層も違うのだから。
売れる営業マン、営業力というものの、明確な答えは見つからなかった。
しかし、私は運が良かったようで、成績が出せた。オイオイなんだなんだ、ちゃっかり努力して成果出してるじゃないかと思われるかもしれない。上司も「努力の成果だな」と褒めてくれたが、当事者の私は全然そんな風に思ってなかった。
「単なるラッキーパンチだった」という感想しかなかった。これは当事者だからわかることだ。偶然のラッキーパンチで大きな案件を拾えた。丁度いいタイミングで、丁度良い人に出会えた。本当に、ただそれだけだった。
そのタイミングを掴む努力があったからだろうが!とも言われそうだが、当事者の私からしたら、下手な鉄砲を撃ちまくった結果なので「営業力」とは思えなかった。そんなことが何度かあって、私は単に「試行回数」が多いから売れるのだと気が付いた。他人は知らないけれど、自分だけは知っている。どれだけの数の飛び込み営業をしたのか。どれほどの量、断られて、その中の一握り…いやひとつまみが成約しているのかを。そう「成約率」が異常に低いのである。
私は「営業力を高める」とは、成約率を高めることだと思っていた。数を撃つなんてのは、誰でもできることで、何の差別化にもならないと思っていた。第一、疲れる。若き日の私は、この「成約率」を個人の努力でいかに上げるかに悩み、研究した。
そして次に悩んだのは「値下げ」の圧力だった。値下げができないと獲得できない案件が多々あって、これまた悩んだ。値下げを上長は許してくれない。交渉せよというが、交渉のカードなどない。つまりは、営業マンの愛嬌だけで押し切らなくてはならなかった。このあたりで「なぜ値下げ要求をされるのか?」についてかなり悩んだ。答えを探して書籍や、ネットを探し回った。でも、有効な解は見つからなかった。「あらかじめ高い見積書を出して、値引きして二段構えにする」とか、そういう小手先のテクニックは全く役に立たなかった。そのことは本文で詳しく説明しよう。
このように、私は与えられた条件の中で苦闘し、それなりに成果も出せた。私は、新規開拓の件数であれば部内でトップになれた。だがそれは、営業力が高まったからではなく、数を撃っただけだったと、私一人だけが知っていた。
その後、色々あってその会社を退職して、化学メーカーに転職した。そこで私は衝撃を受けた。全然頑張ってないのに、毎月勝手に売れる!利益も取れているし、来月の見込みも容易に立つ!私は全然頑張っていないのに。しかも年収は100万以上増えて、休日は40日増えた。労働時間も大きく減った。なぜ?私は全然頑張っていないのに。
私はなぜこんなに現職がラクなのか、考えた。同時に、ツラかった前職についても考え、比較し、その原理を研究した。3年の研究の末、結論が出た。世の中には、キツい営業とラクな営業があるのだと。私が追い求めた「営業力」というものは、あくまで+αの要素に過ぎなかったということだ。
かつての私が身に付けたかった「営業力」などというフワっとしたものは、大勢の前では無力だとわかった。あくまで、商品同士が拮抗している状態でしか効果がない要素だと気が付いたのだ。だから「営業力」なんていう実体のないものを追いかけても意味がない。
営業マンは、選んだ業界、選んだ商品、選んだ会社、その時点で難易度が決まる。そしてキツい営業職というのは、本来なら淘汰されるべき会社を無理やり延命させているだけなんだ。だからきついのだ。この本ではそのことをつまびらかにしていく。
「営業職」「営業マン」と一言に呼んでも、その中身は千差万別だ。この国の大半のブラック労働は、営業マンだ。いかに働き方改革が推進されようとも「数字」という目標がある以上、営業マンに働き方改革など関係ない。「目標」「数字」が容赦されないからだ。
私がブラックとホワイト、両方の営業職を体験したからこそわかる知見をこの本では共有する。ブラックとホワイトの原因・要素を知れば、転職活動の指針になるはずだ。ブラックで疲弊しきり、転職先を探してもブラックしかなかった時の絶望感を、私は知っている。
結局、営業マンである限り、どこもブラックなのか、そう思ったときもあった。私は幸運にもホワイトに漂着できた。これは全くの偶然で、幸運だった。しかし、よく分析すると、ホワイト営業職というのは特徴があると気が付いた。この本ではその知見についても共有したい。
世間一般に出回っているホワイト企業の情報は、超大手企業だったり、内勤の仕事であったりして、新卒カードを使ってしまった営業マンには縁がないものばかりだ。そうではなく、中途の営業マンでもホワイトに辿り着けるように、その条件をこの本では解説する。
かつての私が切に欲しかった情報を、この本では余すところなく述べる。これは、かつての私へのプレゼント。かつての僕と同じように悩み、苦しんでいるあなたへのプレゼントだ。
もう「売れない」と悩む必要なんてない。あえて断言しよう。悪いのは、業界と商品と会社だ。
あなたは悪くない!
以上、最初の10%でした。
詳しくはこちらの記事でさらに内容について説明しています。
使えそうだな、と思った方は買ってみてらえたらと思います。
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