意識低い系転職のすすめ 反響

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就職活動

聖丁Radio 622話

聖丁Radio 622話にて、また私の出演した白熱教室の話題を出して頂いた(チャプター4の3:00〜)。

内容としては、聖帝サウザー師匠がリアルセミナーをした際の懇親会にて

「あの白熱教室を聞いて化学業界に入ったら本当にユルかった!ありがとうございます!」

というものだったとのこと。

私はリアルにおいては「私がヤコバシです!」と言わないようにしているので、このような意見を聞ける機会はない(たまにブログへのコメントで報告もらえるくらいか)。

そのためこうして、間接的に成果を聞けるのは大変嬉しく思う。

実り始めた「化学メーカーのすすめ」

あの白熱教室は2019年末の発売だった。

そのため、就活の流れを考慮すると、2020年に就活をした人が最速、つまり2021卒&勤務開始の人が新卒となって丸2年が経つ頃か。

もちろん2022卒も2023卒も居ると思うので、これから徐々に「化学メーカー、良いわ!」という声が増えてくるのかなと思う。

蒔いた種が咲くのには少々時間がかかる。

聖帝師匠は、今回の622話においては「勤め人卒業するには、放課後をいかに気力体力温存できるかかが大切だ。そのためにはハードな業界・職種の境遇からなんとか時間を捻出するのではなく、もともと緩い業界や職種にジョブチェンジするのが確実で早い」という文脈で語っておられる。

もちろんそれはその通りなのだが、私ヤコバシとしては、ブラックな働き方を強いられている人たちに、マトモな労働環境でまずは働いてほしいという想いもある。

私も、建築系のブラック企業から、ホワイトな化学メーカーの営業職に転職して人間らしい生活と、平均以上の収入を得て、マトモな人生を歩めるようになった。

また、化学メーカーというか化学業界は慢性的に人手不足。特に若手が少ない。

それなのに付加価値の金額は自動車といい勝負であり、それなのに従事している人数は自動車業界よりも少ないという効率の良さを誇る、基幹産業なのだ、化学業界は。

ただ、最終製品ではないばかりに一般人への認知度が低く、人気がない。

そのような黄 金 郷エルドラドともいえるこの業界・職業を、一人でも多くの優秀な若人に知ってもらって、その果実を味わっていただきつつ、化学業界にも人材を還流させ恩返しができたら、と思っている。

この2年は「戦役」だった

2021〜2022年は原料費高騰による値上げやら原料の廃番がやばかったので、もしかしたらそこまでゆるふわじゃなくない?と思った方もいるかと思う。

ただこれは1970年台のオイルショック以来のレベルだったとのことなので、平常運転ではなかったということは付け加えておきたい。

私は白熱教室の中で、化学メーカーの営業マンは「御家人」だと言った。

御恩と奉公の通り、普段は特に働かないけれど、ひとたび戦が起これば将軍のために戦う。

今回の2021〜2022年の原料費高騰と供給難による値上げはまさにこれで、2年の間に元寇が何度も襲来してきて常に戦時だった。

この大戦を経て2023年以降は、御家人としての戦いはやや沈静化したと見て良い。

というのも、世界中と日本国内に、「値上げやむなし」という風潮が蔓延したからだ。

協力なデフレ圧を、「モノを出さない」という強硬手段で持って打ち破った。

2020年頃までは、買い手が強くて

「値下げして。無理?あっそ、じゃ他から買うわ(チラッチラッ」

が常套手段であった。

しかし本当にモノが手に入らなくなって局面でそんなことをやると

「あざす!他から買ってね!ウチその分を優良なお客様に回せるわ!あざす!」

となり

「えっ、ちょ待」

で打ち切ったりしていた。

こういうお行儀の悪いお客は、大体が購入数量は多い大口顧客だった。

そのためその数量による掛け算で、売上が大きく見えていたのだが、じつはその内情は薄利多売であった。

その薄利が、今回の原料高騰によって赤字に転じた時、そのマイナス金額は数量の掛け算により、とんでもない額になった。

つまり薄利多売のお客は普段は対して儲からないくせに、原料高騰の局面で多大な負債になるということが判明した。

これがもし、稼働率が不足しているような市場環境ならば稼働率稼ぎのためやむなく受ける理由もあるのだが、もはやそういう局面でもなかった。

生産キャパシティが不足しているのに、昔からの付き合いという理由だけで続けてしまっていた。

しかし今回の大戦の中で、お行儀が悪いお客が炙り出されて、その中でも特にひどいお客には「お断り価格」の見積書を叩きつけ

「これでもいいなら買って?無理なら他をあたって?」

をした。

これで震え上がって姿勢を正すお客もいたし、それでも負けないお客も居た。

負けないお客は、私達の競合他社でマヌケなところをうまく取り込んで切り替えたが、そのマヌケな競合は赤字決算だったから、まぁ近いうちに値上げか廃番か迫ってくるんじゃないかなと思う。

というか既に始めた。やっぱり無理だものどう考えても。

こうして「お行儀が悪いヤツは客じゃない」という事例がたくさんできた。

自社の方も、最初は「シェア失うのは…」と二の足を踏んでいたが、実際に単体で赤字のお客が出てくると「この販売先が癌だ!」と言い始め排除する動きができた。

実際、このように取引先単位で収支を計算すると、優良なお客様から頂戴した利益を、そのお行儀の悪いお客に差し上げてしまっている格好にも見え、憎しみが湧いてくる。

そのため私達は「コーランか剣か」ばりに「値上げ飲むか、打ち切りか」を迫れるようになって、鍛えられた。

この気迫が伝播して、お客もその先のお客や、小売店、末端まで値上げが浸透して「値上げやむなし」の風潮が出てきたのが2023年であろう。

ヤマは超えたから安心してヨシ

振り返ると、2021年の交渉が最もキツかった。峠(ヤマ)だった。

2020年までの交渉金額の数倍の値上げ幅、かつ値上げに慣れてなくて拒否反応が強かったあの時期。

本当に大変だった…

2020年までは値上げ、値下げが1〜2%単位だったものが、いきなり10〜15%単位の値上げオファーとなったからだ。

お客様も目玉飛び出ていたし、それをオファーするこちら側も「これはさすがにやばくないか?」とビビりながらオファーしていた。いやそうしないと潰れるまであったからウソではないのだが。

それから苦労しながらも数度の値上げを経て、先述のような打ち切り事例や他社の強制廃番、事業撤退などの事例、そしてウクライナ侵攻による原油高・ガソリン高、食品などの値上げが来ていよいよ「値上げやむなし」が浸透した。

ここまでが大変だった。

「値上げなど認めない」「素材メーカーで吸収しろ」

というお客様各社の姿勢をへし折って、たまには見せしめの打ち切りなどしながら、脅しながら、甘い顔も見せながら戦った(思えばこの交渉で私もだいぶ鍛えられたな…)。

そのため2022年後半などはお客も半ば諦めて「値上げは飲むから、供給最優先でお願いします」という態度となった。やりやすかった。

「値下げ抵抗」の局面

そして2023年になって、モノの価格はピークを過ぎて下落傾向になってきた。

ここから値下げの交渉が始まっているのだが、「値下げ」の場合、主導権はこちらにある。

これに対して先述の通り、「値上げ」は、なかなか強行が難しい。

先方の社内での登録変更などの事務処理にも時間を要するからだ。

しかし、値下げを抵抗する局面ではこの事務処理を急ぐ必要がないので、時間的制約が少ない。

もちろん「はやく値下げしろよ!!」とお客はプレッシャーをかけてはくるが、これを先延ばしにすることは比較的やりやすい。

とはいえ、原料費だけでなく電気代や輸送コスト、人件費も上昇を続けている。

設備の修繕や将来に向けての投資もある。

それを考慮すると安易に値下げはできないな…というのが正直な感想だ。

そのためお客様たちとは、この度の値下げ交渉、浅瀬でパチャパチャやって、まず様子見ということで少し返す(値下げ)程度でガス抜きをしている。

化学品は今日も輝く

長くなったが、つまり2023年の今の時期であれば、化学メーカーは再びその輝きを取り戻したと言えるし、むしろその輝きはかつてよりも力強くなったと思う。

なんというか、値上げ大戦によって練り上げられて、より強靭になったというか…

余計なものを削ぎ落とし、稼ぐ体質への意識改革も完了して、その商品力でもって強力に前進していけるような雰囲気を感じる。

コロナ前が全身ブヨブヨで肥満体だったイメージが、戦役を経て引き締まり、優良なタンパク源を求めて邁進していくようなイメージを感じる。

やっぱり化学メーカーは面白いと、私は以前とはまた違った切り口でオススメしたい。

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