前々回の記事、EX勤め人に関しての記事は私の想像を超える反響を頂き、身バレリスク軽減のために施したペイウォールの有料記事も多くの方々にご購入いただいた。
ありがとうございます。
大変有り難く、当サイト運営のためのサーバー代・ドメイン代の一部となりました。
興味を持ってくださっている皆様が多いとわかったので、今後もしっかりと構築してからお話していこうと思った次第。
消えていった同志
前回の記事を買ってくださった方は、おそらく大きく2つの興味で買ってくださったのだと思う。
- 私ヤコバシがどういう進路を取っているのか興味がある
- EX勤め人ルートとは何なのか知りたい
①に関しては、聖帝サウザー師匠の薫陶を受けた一人の脱勤め人を目指すプレイヤーとしての私に興味がある人だろう。
おそらくこの人は、私と同じような境遇で、聖帝流を実践している人で、同志の動向を知りたいのではないだろうか。
かくいう私も、EX勤め人ルートに入るまではこの気持ちだったから、わかる。
例えば聖帝セミナーで知り合った人とか、もしくは聖帝セミナーの感想文をツイッターやブログであげていた人たちのその後を、追っている人たちである。
繰り返すが私もそういう気持ちを持っていたし、今でも持っている。
しかしながら残念なことに、そういう同志は今はもうネット上には少ない。
聖帝流に影響を受けてブログを始めた人を何人か知っているが、その最終更新は2019年〜2020年が最後である。
無料ブログであればまだ残ってはいるが、サーバー代・ドメイン代が多少(1〜2万)かかってしまう独自サイト(ワードプレス構築)のブログだと、サイト自体が無くなってしまったり、ツイッター垢を消してしまった人もいる。
アカウントがあっても、その投稿が2020年が最後とか、結構ある。
こうして発信する人が減ったということもあるが、うまくいった人はその後、例えば不動産界隈の一員となり「ナントカ大家」を名乗って、その道に邁進したりしているケースもあると思う。
つまり聖帝流から入って、不動産クラスタへ転生した人である。
まさに幼虫がサナギになって羽化していくように、不動産クラスタの一員となっている。
こういう人は基本的に、うしろを振り返る必要はないから、聖帝流に関して積極的・定期的に言及することはないだろう。
あるとしたら、
「不動産業との出会いは?」
と聞かれた時に
「サウザーラジオがきっかけです」
と語るくらいではないだろうか。
もしくは不動産でなくとも、何らかのビジネスを自前の資本で作り出して、経営者として転生、自分の商品を売って生計を立てている人もいるかもしれない。
しかしこういった人々はもはやネット上にはいないと思う。
リアルビジネスをしていると、インターネット上、特にツイッター上で何か発信をする必要はなくなる。
その実ビジネスに関係のある商業アカウントとしては意味があるとは思うが、いち個人、いち思念体としてのアカウントは不要となるであろう。
もしあったとしても、それはROM専、もしくはリアル人間関係のあるクローズドなアカウントであり、いわゆるネット芸人的な要素は含まない。
「個」の思念体として存在意義を出す必要性がないからだ。
そもそも忙しくてネット上で暴れるなんてできないと思う。
人生の掛け金とロック
聖帝サウザー流に浸かり、今なお新作の白熱教室を追ってプレミアムVoicyも追いかけ続けるこの私は、独立自営を果たしてはいない。
少し前まで…そうだな、2021年の春頃までは、そういう状態に忸怩たる思いがあった。
2020年はコロナ禍で自粛、テレワークで発生した莫大な余暇時間で自分の事業作りを色々と検討して調査した。
関連する先行者を偵察に行ったり、実務を勉強したり、少し自分で試作してみたりした。
いつまで燻っているんだオレは、はやく不動産買うなり、事業起こすなりしろ、と思いつつも、大きな成果には結び付かなかった。
これが私という人間の弱さと能力の限界なのだと思うが、しかしそれはなぜなのか、考えてみた。
冷静に考えてみると、それは
- 私の人生がもう強めにロックされていた
- 賭け金が積み上がりすぎていた
ということだと思う。
具体的には、結婚していたり、子供がいたり、職場も苦しゅうなく年収には不自由はない、貯金もある、将来もある程度明るい、自分の年齢(30代半ば)などなど。
それらを総合的に考えると、乾坤一擲で独立起業することは、そんなに美味しくないのかも?という意見になってきたということだ。
ここで重要なのが雇われ人としての境遇である。
私は化学メーカーで、比較的恵まれた状況にあると思っている。
これがもし、私が独身で、毎日残業ばかりで、年収3〜400万で昇給の見込みなし、仕事もキツイ、20代である、などの条件であればエイヤで辞めてラーメン屋やる選択をしたと思う(今のこの原材料費高騰の局面では耐えられなかったと思うが)。
この場合は人生のベット(賭け金)が低い状態だ。
言い方を変えれば「失うものがない」状態だから、起業という賭けに出た場合にはそちらの方が期待値が高いと思える。
また私が今から起業したとして、現在の勤め人以上に効率よくラクに稼げる自信もないことも大きい。
自営業になって実質年収240万で毎日働き詰めで休みなし、では全く美味しくない。
価格交渉力の無い零細企業が今、どんな状況にあるか…考えると恐ろしい。
私は、人生のベットが積み上がりすぎており、これを乾坤一擲でエイヤするにはもう身動きが取れなくなっていた、というのが正直なところだ。
サウザーラジオが始まった2018年3月から、もうすぐ丸5年が経とうとしている。
当時まだ20代だった私も、5歳の年齢をとり、ライフイベントも順調に進んだ。
麻雀でいうならば10巡目に入ってメンタンピンドラ1のリャンシャンテンくらいまで進んでしまっていて、ここから四暗刻を目指すのは無理ではないが…厳しくないか?という感じだ。
既に積み上げてしまっていたのだった。
自分の手牌と、巡目、また自分の今の得点状況を見て総合的に考えた。
精神マッチョ派が見落としていたもの
最近のプレミアムボイシー(プレミアム114回)においては、聖帝サウザー師匠が
「僕も見落としていました。既に持っていたから」
と言及する場面がある。
この部分、私は「ですよね〜」と思った。
というのも、この部分を私は大切にしているがために、今まで乾坤一擲ができなかったのだ。
あだち先生のメルマガを受信している人も感じているはずだ。
かつて精神的マッチョ族として恐れられた、あのあだち先生の考え方すら変質してきているということに。
正論だけで突き進むならば、あだち先生のいうように、
- 友達や彼女など捨てろ
- 時間は作れ
- 甘えるな
- 作業しろ通勤だ
- 睡眠時間削れ
そして聖帝流を遵守するならば
- 職場での昇進など無用
- 職場の和など無用
- 上司に気に入られる必要なし
- 飲み会やゴルフは全スルーしろ
- 仕事は手を抜き気力体力温存しろ
- そして自分の商品作りに邁進しろ
どちらも、
「休日や連休はすべて副業に全ベットしてやれ」
「独立したいんだろ?それならこれくらいやって当然」
「不必要な人間関係は切れ」
そういう、ストイックでマッチョな生き方である。
これらが最大効率で、正論なのはわかる。
どう考えても、ぐうの音も出ないほどに効率は良くて、やはり最適解である。
独立したいのならば、自営業者として生活していきたいのならば。
これくらいの努力は当然である。
それはよくわかる。
しかしながらこの道に進むには、不退転の覚悟がいる。
「そうだよ、不退転の覚悟がいるんだよ」
と聖帝も、あだち先生も仰る。
聖帝の場合は、勤め人という生き方それ自体への強い嫌悪感から。
あだち先生は「人生の時間は有限」という強い思いから。
お二方はそれらを燃料にして突き進まれたからこそ、今がある。
雇われがなぜ嫌だったのか
対して、私ヤコバシはどうだろうか。
私は、「バカの下で働きたくない」という感情が全ての始まりだった。
当時の上司、団塊の世代のおじいちゃん上司とソリが合わず、こいつの言うことなんか聞けねえ、バカの下では働きたくないという思いがイケててハヤい先生につながった。
そこからサウザーラジオに辿り着いた。
しかしながら5年経ってみると、その嫌いな上司は退場していた。
並行して自分にも実績と実力がつき、それを認められ年収も職位も上がっていた。
化学メーカーがもともとホワイト体質だったことも手伝って、その働き方は「苦しゅうない」そのもの。
さらには社内の出世競争相手の少なさから、出世ルートもガラ空きで、無事にそのルートを確保することができた。
EX勤め人になってわかったことだが、EX勤め人になると「勤め人として嫌なこと」はだいぶ減る。
振り返ってみて思うのは、結局は「兵隊」扱いされて、兵隊として部隊長から管理・監督されたり、兵隊としてザコ敵とばかり、指定の弱い武器だけで戦わされ続けるから嫌になるのである。
また、若い頃に嫌だ嫌だと思っていた勤め人の嫌なところが、実はそうでもないんじゃないかと、気がついてくる。
例えば朝起きるの嫌だというものは、独立自営なんかしたらもっと早起き必須になるケースが多い。
「定時」なんていう概念は経営者になったら無い。
「有給休暇」などという制度も経営者には無い。
むしろ「定休日」「公休日」などという概念もなくなる。
満員電車も早めに通勤するなど回避する方法はある。
早く街に着いて、コーヒーでも飲んで読書すればいい。
時間を使う順番を入れ替えるだけだ。
満員電車は、7時台に乗るから大変なのである。
また最近思うのはコロナ禍を経て大企業がテレワークやフレックス勤怠制度を導入してくれたおかげで、電車利用者は明らかに減っている。
こうして、かつては強かったネガティブ要素が弱くなってきている。
自分の手牌を冷静に見る
同時に自分の人生で積み上げてきたものを今一度振り返ってみる。
すると、それが意外にも大きく積み上がっていたことに気がついた。
それを乾坤一擲で捨てて、独立自営に打って出ることは、果たして見合うリターンがあるのか?釣り合うのか?と冷静に考えて思うのである。
独立自営の方が人生の期待値が高いなら、迷わずやれるだろう。
それはお金と時間と、忙しさと不安と社会的地位などの総合的な判断での期待値の計算である。
冷静に自分の実力を考える。
社会情勢も見渡す。
結果、私の場合は、急いで独立自営して得られるメリットが少ないと感じられた。
つまり「期待値が悪い」ということ。
これは弱気というよりも自分の実力に対して謙虚な姿勢であると思う。
自分の手の中にあるカードを冷静に見て、それらをどういう選択肢で使っていくと自分の人生における幸福感を最大化できるか。
また自分自身だけではなく、家族がいる人は家族全体にとって最適解となるのか。
聖帝亜種の同志へ
今ではもう、聖帝界隈について言及する人は減って、その多くがROM専になっている。
それは聖帝radioの再生数を見ればわかる。
私のツイッターフォロワーと、ブログ記事のアクセス数、有料記事の売れ方でも感じられる。
そう、私と同じように燻っている人たちが今なおたくさんいるということに。
彼らはROM専となって、くすぶっている。
しかしイノセント勤め人にも戻れない。
だからくすぶっている。
私も同じだ。
そういう、聖帝サウザー流の亜種のような人が、私なのだ。
独立起業は無理でも、経済と時間の自由をちょっとは得たいなという、半端もんの戦い方が、そこにはあると思う。
決してネット上で派手な発信はできないけれど、リスク少なくゆるゆると生きていく。
私淑するSATニキのような生き方だ。
SATニキはブログにて
「一流になるのは才能がないと難しい。かといって二流、三流も嫌だ。
ならば『ホワイト勤め人+α』で1.5流を目指していこう」
と提唱されていた。
そういう聖帝サウザー亜種のような生き方は、誰かが提唱して、心の拠り所となれると良いなと思う。
自分の手牌と折り合いをつけながら、その中でなんとかアガれそうな手をアガっていくのだ。
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