働き方改革 for 営業マン

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日記

働き方改革が本格化してきた。今までは努力目標、建前だけの運動に感じていたが、ようやく有給休暇を5日取らせろ!と強制力が働いたようである。だが、恩恵を受けられるのは一部であり、大半の営業職には無関係だと思う。そのことについて説明する。

天動説が消えたのは

かつてキリスト教世界では、太陽が地球の周りを動いているという天動説が常識だった。しかしながら、長年の研究により「実は地球の方が動いてるんじゃないか?」という地動説を唱える人々が出てきた。検証を進めていくと、やはり地動説の方が正しいんじゃないか?と思う人々も増えた。だが、その時代においてはキリスト教が絶対的であり、その方針に反することは社会的な死を意味していた。ゆえに人々はしばらく天動説を支持せざるを得なかった。そんな天動説が消え、地動説に切り替わったのはいつなのだろうか。

その時とは、天動説を信じる人が”みんな死んだ時“だったはずだ。

実はみんな「やっぱり地動説が正しいよな」と思っていたのだが、権力者や年長者が天動説を支持しているから言えなかっただけだろう。その人らが死んだら「ホラやっぱり地動説だよ」と堂々と言えるようになったので、自然に移り変わっていったのだと思われる。

ある日突然「今日から地動説な!」とはなっていない。キリスト教が正式に認めるのは1992年とのことだ。

なぜ僕がこの天動説の話を持ち出したかというと、昨今の働き方改革の導入が同じプロセスをたどっていたからだ。働き方改革に抵抗していた勢力、つまり団塊世代の消滅が決定打だった。団塊世代とは1947〜1949年ごろに生まれた人たちで、2019年の今では68〜70歳の人々を指す。もちろん、生きているのだが、会社組織においては3年前ごろに定年退職している。かつての役員であっても70歳で相談役や顧問からも外れる。言い方を変えると、会社という世界から団塊の世代が絶滅した。

これにより本当は意味もなく残業する必要ないんじゃねと思っていた層が主導権を握った。天動説から地動説へ移り変わったのと同じように。

結局、猛烈に労働力を投入して働いていた先輩が上にいたら、下は自由には動けなかったということだ。それがようやくいなくなって、邪魔するものがいなくなったので、働き方改革がカタチをもってきた、というのが実態だと僕は見ている。何しろ、僕の職場もそうだからだ。団塊世代の顧問がいなくなって即、改善した。これは無関係ではないだろう。

会社がガチで居場所な勢力

ただ、団塊の世代だけが障害なのではない。今の50代、つまり団塊ジュニア世代もまた、職場以外に居場所がない人が多い。団塊の世代に引っ張られて一緒に働いてきた世代だ。その習慣は骨身に染み付いている。簡単にその習性は変わらないし、実際に職場にフルコミットしてきた人たちだから他にもう居場所がない。新しく作ることももう間に合わない。ゆえに団塊世代ほどウルサくはないが、なんとなく職場にいてしまう哀れなオジサンがたくさんいる。でも団塊ほどの暑苦しさはない。

この人たちについても今後観察を続けていこうと思う。

暇な人にはぴったり

今回の働き方改革により、有給休暇の取得が重視されるようになった。だがこれは暇な人にしか有効ではないと僕は思う。具体的には間接部門、事務や経理、人事総務などのバックオフィスの仕事だ。貶めているわけではない。実際、世の中には暇な仕事もある。

IT導入の効率化が進んだ結果、昔は半日かかっていた作業が1時間で終わるようになってしまった。バックオフィスは処理をするだけだから獲物を獲得したり生産をするわけではないので収益を生み出せない。ゆえに人手が余っている場合が多い。もしくは電話番など、忙しくはないのだが存在していなければならない仕事もある。そして歴史ある会社ほど、そういう部門に人はいるし、削減もできない。そういう部門は有給をバンバン使えると思うし、使って良いと思う。

有給使えない人々

しかし営業マンや、生産をする人は、結局休めないと思う。営業マンは営業目標があるし、生産部も注文が来たらそれを作らなくてはいけないからだ。

「有給の分、稼働が減るから営業成績5%マイナスしてもいいよ!」とか「有給取るから納期1日遅れるね!」というのが許されるだろうか?そうは思えない。さらに上場企業なんかであった場合には株主から売り上げアップ収益アップも要請されるのだから、なおさら営業成績の下方修正など許されるわけがない。

営業マンはやればやっただけ搾り取られる職種だ。仮に1ヶ月の予算を10日でクリアできたなら、残りの10日も同じように頑張らせれば倍の成果が上がると、上は思うからさらに働かせようとする。正社員という雇用形態は定額使い放題なのだから、有給休暇なんて取られたら困るのである。

圧倒的に目標数字をクリアしている営業マンならば強気に有給取ることもできるかもしれないが、数字が未達の場合には有給など取れるわけがない。いや法律的には取れるのだろうが、実質的には取れないだろう。有給取ったカウントで結局、出勤するようになる。僕の前職がそんな感じだった。それで有給消化率、全社で80%以上とか言っているんだからひどいなと思ったものだ。

全社一斉有給取得

僕の勤務先がそうなのだが、取得しなければならない有給5日分は、社員全体に同一日に取得させ、事実上の全休にしている。これは良い方策だと思う。そのため、営業マンである僕も精神的な後ろめたさ無しに、堂々と有給を取得できる。というか取得せざるを得ない。

その日5日間は、飛び石連休の合間を埋めるもので、全社的に大型連休を作り出した。有給取得の日程を自由に決められないという制約はあるが、このように全社を統一させるのは取りにくいという気持ちもないし、法令もクリアできて一石二鳥だ。

皆勤賞自慢オジサン

調査によると、僕の勤務先は社員全体で有給休暇取得率が約50%だった。しかし、その内訳を見てみると、有給取得0日の人がかなりの数、いたのだった。その人たちは先述の、50代のオジサン達で、どうやら彼らは有給を使わない皆勤賞(表彰も何もないが)を誇りに思っている様子だった。休まないこと=頑張っているという価値観なのだ!

繰り返すが皆勤賞などという表彰も褒賞もないし、この人たちは毎年付与される有給休暇20日を、毎年全部消滅させている。そしてそれを自虐風自慢しあっている!ものすごい光景を僕は見てしまった。すごい。恐竜だ、この人たちは。化石だ。

こういう哀れなオジサンにならないように僕はこれからも社外活動に取り組んでいこうと決意を新たにしたのだった。

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