「村」への回帰

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日記
インターネットは発達した。人類は、その恩恵を受けて大きく発展した。情報を瞬時に手に入れ、交換することができるようになった。それまで、紙に書いて、運んでいたものが瞬時に手に入るようになった。リアルタイムで他人とコミュニケーションができるツールを、僕たち人類は手に入れた。

増幅器

このツールは、僕たちの声が届く範囲を飛躍的に大きくした。2000年前は、人々が広場に集まって、政治家の肉声を聞いていたのが、石版の文字になり、紙とインクで本になり、そしてデジタルになった。さらに文字という媒体だけでなく、いまや音声や動画も瞬時にあなたの手元、スマートフォンに届けられる。ツイッターを開けば、それらの文字や画像、動画が流れてくる。地球の裏側の出来事も、瞬時に知る事ができる。僕らは自分の考えを届ける声と、情報を手に入れる腕をとても長く伸ばせるようになった。
その発展の中で、色々な事があった。友達をつくること、勉強することといったプラスの面もあれば、人を批判したり、金儲けの材料にしたりするマイナスのこともできるようになった。実際、悪用する人や自分だけ得しようとする人が増えてしまい、その声が目立つようになってきた。
でもこれは、インターネットの発展前から、既に世の中にはあった。インターネットという増幅器ができたせいで大きな問題になっただけで、詐欺師や人を食いものにする者は以前からも存在していた。

信用を重視する村社会

人々は原始時代、小さな集落を作っていた。村だ。人々は原始の世界、小さな村の中で生活していた。その小さな共同体の中では、信用や信頼が重視されていた。小さな村だから、善人でなければすぐに村八分にされた時代だ。
人々は一度、村から都市へ移り住んだが、結局は閉じたコミュニティで生活していた。学校、職場、近隣住民。結局は村だ。
そこから、インターネットという魔法を手に入れた人々は、精神的なよりどころをネット空間に求めた。物理的な距離を飛び越えて、人間関係を築けるようになった。人々はインターネット上に村社会を形成し始めた。
一昔前の、リアル村とは違い、物理的に村八分にされることはない。だが精神的なつながりゆえに、ますます信用や信頼が重視されるようになった。僕ら人類はインターネットを通して、信用経済に回帰した。肉体が介在しない匿名アカウントだが、中身は人間である。容姿や年齢が意味をなさない精神体の集まりがインターネット村だ
実名や写真を出す者もいるが、精神が重視される世界がインターネットだ。ゆえに、その精神体が善なるものであるか、信用にたるものなのか、そこだけを識者は重視している。

サイエンスしすぎた人達

このインターネットを利用したビジネスを研究する人達も現れた。インターネットユーザーを科学し、心理学を駆使し、人々を誘導して利益に変えていった。そうして、だまされたと思った人達もたくさん出た。この10年の出来事だと思う。僕も大学生のころ、あやうく情報商材を買いそうになった。振込みがめんどくさくなったのと、相手がへたくそでクロージングが激しかったから、結果的に回避できたが、実質的にだまされていた。
そうして、人をだまして儲けていた人達は対象者のレベルアップに直面した。情報商材はもう売れない。ゆえに違う方法を模索し、サイエンスした。結果、仮想通貨というもので新たな狩場を作り出して、刈り取った。人々は再び裏切られる事になった。2007年ごろの情報商材と、2017年の仮想通貨により、人々はインターネットに対して警戒心を一層強くした。
その10年の間に一瞬、フェイスブックなど実名系で信用を重視するムーブメントもあったが、それをビジネスに転用しようとした者が増えたせいで、その本質は失われてしまった。
このようにインターネットをサイエンスし、儲けようとした人が多すぎて、人々は簡単に信用しないようになった。当たり前の流れであろう。だからこそ、あえて基本に立ち返り、信用を重視する、村という単位を思い出すべきなのだ。

画面の向こうにある心

今こうして、この記事を読んでくれているあなたの事を僕は考えている。どういう思いでこの記事を読んでいるのか。そして読んだ後どんな気持ちになるのか。僕は今、この文章を自分のマックブックエアー13インチから書き込んでいるが、これをあなたのスマホを通じて、読んでもらっている。ある意味、対面で話をしている。だからこそ、誠実に取り組まなくてはならないのだ。決して、騙してお金を取ろうとか、うまく誘導して自分の利益にしようとか、考えるべきではないのだ。そういう気持ちは、きっと伝わる。そしてそういう人達に、みんな辟易としているはずだ。そんな人達でネットはあふれてしまっているのだから。
かつて「インフルエンサーという病」という記事を書いたが、彼らは必死に営業活動をしている。その営業活動を聞かされ続けて、多くの人々はうんざりしているのだと思う。僕もその一人だ。だからこそ一度、基本に立ち返って、みんな信用を積み重ねる行動をしていくべきなのではないかと思う
実際、それを自覚して実行している人達が出てきた。彼らに共通している事は、ネットで稼ごうというのではなく、現実世界で既に稼いでいる人達だということだ。彼らが現実世界で手に入れたものが、インターネットに滲み出ている彼らにはお金を追いかけていないという特徴がある。なぜなら、既にお金をリアル世界で得ているからだ。

オフラインが主

インターネットという増幅器は、そういう使い方が本来の使い方だと思う。現実世界、オフライン、リアルの世界が本スジ。そのメインストリーム(本流)から、副産物としてインターネットに情報が滲み出る。それが正しい姿なのではないか。
この主従が逆転していると、歪な構造になり自壊する。これまではプレイヤーが少ないから成り立っていたものが、先述のようなホンモノが参入してくる事により駆逐され始めているのが2019年なのだと感じる。これからインターネットの世界勢力図は変わっていくだろう。
真に力ある人達が、正統に正直に、誠意を持ってインターネット世界に乗り込んでくる。そのとき、小手先でのさばっていた人達は淘汰されていくだろう。ボーナスタイムは終了したのだ。こうしてある意味、本来の姿、正常な姿に戻ったインターネット社会は信用力を活かして、さらにパワフルなものになっていくだろう。何しろ、信用のない者は自動的に淘汰されていくのである。
正統な人々が報われる下地は整った。皮肉な事に、小手先だけの者達の手により整ったのだ。逃げ場がない、信用というリングの上でがっぷり四つに組んで戦う。それを観客が信用というものさしで観戦する。
人々は20年かけてインターネットを使いこなしつつある。

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