ナニワ金融道 名言録4〜5巻

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ライフハック

前回に引き続きナニワ金融道4〜5巻の名言集。

どんな会社へ行くのか知らんが また一から見習いからやで(38発目、桑田)

やめる?やめて何するんや

どんな会社へ行くのか知らんが また一から見習いからやで

実際29歳から見習いなんかできるもんやないで

給料も下がるで!

帝国金融を辞める、と口走った灰原に対しての桑田先輩のセリフ。

僕が「あぁ〜」と思ったのは「また一から見習いやで」の部分。

僕がジョブホッパーはお勧めしないのは、これが理由だ。そう、転職してしまったらまた一から見習いなんだ。これを極度に怖がるのも考えものだが、マトモな労働環境の会社であるならば、このことも考えるべきだと思う(ただしブラックは即刻やめましょう)。

一から見習い、というのは業務そのものだけではない。社内の人の名前と顔、序列、得意なこと、社内のルールその他たくさんだ。そういう目に見えない財産を持っていることは憶えておきたい。だからこそ、ブラックではない職場を見つけて、腰を据えるのが大事だと僕は思う。

髪は元に戻ります でも私 戻らないものの方が怖い!(39発目、三宅)

灰原さん 髪は元に戻ります

でも私 戻らないものの方が怖い!

(灰原は涙しながら白米を食べる)

三宅さんは、運輸業を営む背口の彼女。背口はマジメに働いていたが、騙されて多額の借金を負ってしまった。なんとか働いて返そうとする背口であったが、三宅はソープで働くことを了承してしまう。

そんな三宅の世話を見ている(逃げないか監視の意味もある)灰原に、三宅は食事を作ってくれた。そこでの一幕。

三宅は決意の証として長かった髪をバッサリ切る。驚く灰原に向けてのセリフ。

「戻らないもの」とは、ソープで働いた過去という意味。その他にも、たくさんの意味を含んでいる言葉だ。一度でもやってしまったら戻れないこともある。そんなことを学んだ。

話は変わるが、YouTuberのKUNさんも

「チートを使ってた過去がある奴とは、2度と遊べない。たとえそれが2年前で、今は使っていなかったとしても。それはなんというか…ルールとか法律じゃなくて、血の掟なんだ」

と語って、過去にチートを使っていたことが発覚した人をBAN(アクセス禁止)にしていた。

不可逆のものもある、ということをあらためて教えてくれる名言だ。

いつまでも続ける商売と違うで(44発目、金畑社長)

桑田 もう町工場の勤めもやめると言うてましたで

社長 あいつもアホやのー いつまでも続ける商売と違うで

黒川 そやもうけるだけもうけて サッとやめる 短期決戦なんやで

これは昔、インターネットが電話回線を使っていた頃のバグを突いた方法で、違法に稼ぐ方法が編み出された話。この方法は、確かに稼げるのだが、もちろん違法である。それなのに、その方法で楽して大金が稼げるとわかった薄井は職場も辞めてしまった。

当然、この手法はすぐにバレて使えなくなってしまった。

この話は、近年だと情報商材に通ずると思う。もちろん情報商材そのものは違法ではないのだが、顧客が賢くなったり、警笛を鳴らす者が増えたことにより、以前のように通用しなくなったようだ。

その商売が長続きする性質があるかどうか、は冷静に見極めていきたい。

冬のボーナス全部使ってしまったのですか!(47発目、灰原)

灰原 冬のボーナス全部使ってしまったのですか!

泥沼 生命保険の掛金と旅行の費用とパチンコで全部消えました…

灰原 これからクリスマスや忘年会もあるのに断るつもりですか?

泥沼 いやウチの連中うるさいから無理です…それ以外にもちょくちょく飲んだり食べたりしていますから

登場人物の泥沼は、若い会社員。なんというか、その気持ちはわかる。わかるんだけど、歯止めきかせようや…と思わずにはいられない。

でも一般ピーポーってそういうものなのかも知れない。次のシーンにも繋がる。

まあええわ ひとつぐらいぜいたくしても…(48発目、泥沼)

泥沼 灰原さんは浪費は避けるようにと言うてたけど

よう考えてみたらあんだけ苦労したのに

自分のことはなんにもしてへんやないか…

(68,000円のコートをカードで買う)

泥沼 とうとう注文してしもたな

まあええわ ひとつぐらいぜいたくしても…

この気持ちもわかる。わかるんだけど、なんとか踏みとどまりたいところだ。

せめて68,000円ではなくて2〜3万のコートにするとかさ…

この「ひとつくらい」はひとつで終わらないことも多い。

ウチはウチにとって都合のええ人間だけを採用するんや(55発目、黒川)

求人に際して、黒川部長が言った言葉。

就職活動や転職活動をしている時には、この言葉を憶えておきたい。

そりゃあ、そうだよな。と思う。

理想を言えば、東大卒で優秀かつ業界経験者で即戦力、休みは月5日でOKサービス残業モリモリしてくれて月給は16万円で良いです、という人間が最良である。

しかも真面目で文句も言わない、成果出してくる人間…ありえないが、究極はそういうことだ。でもそれではさすがに無理だから、給与をあげたり、能力のハードルを落としたりする。

だから、せめて面接の場では、このように相手にとって都合の良い人物であるように見せなくてはならないだろう。そうでなくては、その演技ができる人間に取られるだけだ。

ゼニは天下の回り物や 儲けたゼニを一人占めにしてはアカンのや(57発目、肉欲棒太郎)

肉欲は、何度も登場するキャラクターで人気が高い。ナニワ金融道の登場人物たちは、先述の泥沼のように結構なクズが多いのだが、この肉欲は知恵とバイタリティ、そして正々堂々する心を持っている。非常にマトモな人間である。

そんな肉欲の商道徳を垣間見ることができるセリフ。

こういう考え方で、周囲の人にお金を使ったり、仕事を回すから、人が集まってくる。人望が高まっていく。結局、ヒトは自分に得させてくれるヒトが好きなのだ。肉欲はそのことを経験上か、よく知っているのだろう。

シロウトの私たちにそんなむずかしいことがほんとうにできるのですか(58発目、主婦)

主婦1 なんだかむずかしそうな話ですねー

主婦2 灰原さん シロウトの私たちにそんなむずかしいことがほんとうにできるのですか

灰原 やってみなければわからないじゃないですか!阻止するためにはこの方法しかないんですよ

風営法を使って肉欲が計画しているピンクビル(風俗系のテナントぎっしり)の完成を阻止したい地元の主婦連合。知恵のない者ばかりで、会議をしているだけ。

そこに灰原が具体策を持ち込むが、この対応である。

「ワタシ、わからないわ。素人だもん」という態度である。

確かに法律の専門家ではないかもしれないが、法律家であっても人間だ。頭と手と足があるのは同じで、知識のあるなしだけが違う。

ならば、その知恵をつければよいだけなのに、主婦たちはそれを面倒臭がっているのか、怖いのか、こういう発言をする。

ちなみにこの後も主婦連合は具体策もないのに灰原を疑ったり、イチャモンをつけて読者をイラつかせてくれる。結局、灰原に喝を入れられて改心して話を聞いて勉強するのだが…最初からやれよと思う。

名義を貸したこの私が攻撃目標にされるんですよ(61発目、阿部医師)

恨みをかうのはみなさんやおまへんやろ

名義を貸したこの私が攻撃目標にされるんですよ。

みなさん名義の貸し借りを軽う考えてもろたらアキマヘンで!

先述のピンクビル計画の妨害の中で、近所に病院の分室を作れば法律上、風俗店が出せないという法律を利用しようとした主婦連合(灰原の入れ知恵)。それに対する阿部医師の反論。

これもまた、示唆に富んでいる。

名義を貸すまではいかなくても、その集団に協力したり、何かを提供したら、もう立派な仲間として見做されてしまう。もし何かの揉め事に巻き込まれそうになったら「何も提供しない、手を貸さない」という選択肢もあることを思い出させてくれる名言だ。

 

以上、4〜5巻の名言集だった。

ナニワ金融道のキャラクターたちは、ある意味、本能に素直な人たちであると言える。

欲しいものは欲しいし、我慢したくない。

わからないことはわからないし、勉強したくもない。

他人が協力してくれるのは当たり前だと思っているし、断られると逆ギレする。

しかしながら、程度の差こそあれ、誰しもそのような一面を持っている。

ふとしたきっかけで、悪い方にドンドン転がっていってしまうだけなのかもしれない。

そんな様を、わかちやすく拡大した形で見せてくれるのがナニワ金融道だ。

これを全19巻ぶん、やっていくのはちょっと他の計画が疎かになってしまうので、まずはこの5巻までで一区切りとしたい。

ここから先のお話もたくさんの名言が飛び出すし、契約や法律について学べるので、後学のためにもぜひ読んでみてほしい。Kindleアンリミテッドで読み放題になっているから、アンリミテッドを利用したことがない人はお試し期間での一気読みがおすすめ。

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