昨年の8月。ブログを始めて2ヶ月の頃にも「努力は夢中に勝てない」という記事を書いていた。
読み返すと、この頃はブログの頻繁な更新が「努力」だった。これは、ブログを書く筋力が少なくて、ヒイヒイ言っていた頃だからだろう。当時は、700文字書くことも大変だった。
そんな時からさらに1年2ヶ月経った今日。ブログに取り組み続けた結果、僕は文章を書く筋力がついた。5,000文字書くこともできるようになった。なぜなのか、考えた。
そこでタイトルの言葉「人間の力は使い切らないと増えない」を思い出したので、ご紹介する。
人間の力は使い切らないと増えない
まず、この言葉は故・平尾誠二さん(ラグビー日本代表元監督)の言葉だ。とある講演会で話していたそうで、新聞の記事で平尾さんがそう語ったのだという。氏が存命中のことであるから、数年前のことだ。僕は当時はラグビーも、平尾誠二さんについても全く知らなかったが、この
「人間の力は使い切らないと増えない」
という言葉がパッと目に入ってきて、あまりにも印象深かったのでメモした。その時、平尾誠二さんという人を知った。
それから、平尾さんが亡くなったとニュースが流れてきて、びっくりした。
また、今、グーグルでこの言葉を検索したのだが全然ヒットしない。マジか、と思った。これは僕の心の中だけにしまっておくにはもったいない言葉だ。
最近、僕はこの言葉を強烈に体験しているので、読者の皆様に共有したい。
白熱教室の紹介文
既にご本人からも公式ツイートいただいているので公開する。僕は私淑するサウザーさんから白熱教室の紹介文を書くお手伝いをさせてもらえることになった。文末に「著・ヤコバシ」と添えてあるのが僕が執筆したもので、現在では下記がアップされている。
- あべしさん編Vol.2,3,4
- アナキンさん編Vol.2,3
- 加藤ひろゆきさん編Vol.4,5,6,7
- 一伽さま編Vol.1,2,3
- 零時レイさん編Vol.2,3,4
計15本か…こう思い返すと、結構書いたな、としみじみする。
仏像彫り
この紹介文の仕事、自分で言うのもアレだが、かなりの精魂を注いでいる。まず、僕個人のものではないから、適当な仕事は許されない。ましてや白熱教室はサウザーさんにとっての芸術作品。その一部として飾ってもらうのであるならば、それ相応のクオリティが必要だ。サウザーさんはダメなものはダメという御仁だ。少しでも緩んだ駄作は躊躇なくNGとなるだろう。
オーディオを何度も聴き、重要エッセンスを抽出し、散っているものは統合して編み直して紡ぐ。全ての情報は載せきれないので取捨選択する。こうして粗削りの文章の骨子が見えてくる。
粗削りが完成しても道半ば。文章表現、「てにをは」の推敲。そして僕はノってくると芝居掛かった言い回しを書きすぎちゃうので、冷静な頭のときにそれを現代風に直す。改行のタイミング、読点を打つタイミング、などなど…練る。ひたすらに練る。
やりながら僕は思った。この工程は、まさに木彫りの仏像を彫っているようだな、と。
白熱教室という大木がある。それを切り出し、荒削りする。さらに彫刻を進めて、細部を表現する。そこからヤスリがけをして表面を仕上げていく。
百式観音「零」
そんな風にして生まれたのがこの15本の紹介文だった。白熱教室紹介文はこのような工程ゆえ、1本書くのに、かなりの時間を使う。先述の通りに、半端なクオリティのものは納品できぬ、という思いで、魂を込めて書いている。まさに入魂。これは勤め人の仕事では有り得ない。
そして書き終わった後は、百式観音「零」を放ったネテロ会長のようになる。毎回毎回、全身全霊の「零」を撃っている。簡単だったものなど、一つもない。
毎回、全オーラを変換して全身全霊の「零」を撃つから、終わった後は「フシュ〜〜…(ゼェ…ゼェ…)」となっている。
「零」の回数=成長
そんな虚脱感を感じて、気が付いた。
正直今まで、自分のブログでは「九十九」くらいまでしか出してなかったな、と。別に手は抜いてないのだが、「零」はあまりなかった。ただ、白熱教室レビュー記事は毎回が「零」だったと思う。
私淑するサウザーさんの作品をレビューする記事。
誰かが、このレビュー記事を読んで、買うか買わないかを決めるかもしれない、ならばテキトーなことはかけないし、ただのマンセー記事でも読者のためにはならぬ、という思いで書いていた。
こんなエラそうなことを書いているが、初期の白熱教室レビュー記事は1,000文字も書けてないし、内容も薄い(いつかリライト版を作るぞ!)。それは、僕の力がまだ弱かったからだ。
僕は「零」を撃つたびに成長した。
少ない力の中で、それでも良いものを書こうとして、ショボいながらもレビューを書いた。その過程で、少し力が上がった。その度に、僕は一回り成長していた。
僕は白熱教室レビュー記事をこれまで28本書いていた。それはつまり28回の「零」を放ってきたということ。そこからさらに、白熱教室「紹介文」を15本。しかもレビュー記事よりも難易度が上がった「零」だ。それを15発撃ち、さらなるレベルアップをした。
合計43発の「零」。
43回、全力を出し、使い切った。その分が、自分の血肉になったと感じている。
平尾誠二さんの言葉を思い出す。
「人間の力は、使い切らないと増えない」
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