営業マンは「自分を売れ」と言われるけれど、正解は?

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よく、「営業マンは商品を売る前にまず自分を売るんだ!」と言われます。自分を売る…どういうことだってばよ?と僕も思いました。

僕がそれを習った上司いわく、「熱心で一生懸命で真面目な自分を印象つける事だ。そうすればおのずと売れる」とのことでした。

ほほう…確かに一生懸命で熱血な真面目な営業マンから買いたいのはわかる。では具体的にどうするのか?と聞いたら、「訪問頻度をあげる、滞在時間を伸ばす、折に触れて手紙やハガキを出す」との事。

おお!そうか!と新卒だった僕はそのまま実行しました。成果は出ませんでした。僕だけでもなく、同期の新人はみんな成果出ませんでした。

それを訪問件数が足りていないとか、面談時間が足りないとか、熱心さを伝えるロープレが不足しているだとかで毎日怒られてました。

成果を出していた先輩

一方、同じ職場には上記のような上司の方針に全く従わないけど成果を出している先輩がいました。その先輩は全然熱血じゃないし、むしろおとなしいし、真面目でもなく(よく遅刻や書類の不備で怒られていた)ほんと上司が言っていることと真逆の営業マンでした。社内向けの年賀状は市販品で、直筆の部分は一切ないやつでした。

では、夜に強いのか?接待がんばってるのか?と思いきや一緒に残業していたのでそういうこともありませんでした。僕がいた業界は建築業界だったので、図面と格闘するのに時間がかかったのです。この先輩は請け負ってくる案件が多すぎて図面との格闘も多かったのです。

その先輩は忙しくなりすぎて顧客のフォローに支障が出てきていたので、僕がお手伝いをする事になりました。何度か同行する機会があり、やはり熱血・真面目な要素は全くなかったし、マメに通っている風でもありませんでした(案件多くて忙しすぎて)。

ただ、この先輩は仕事に対する経験・知識が豊富なのでお客さんから見たら「使える営業マン」だということがわかったのです。特に過剰な値引きもしていなかったし、要求もされていませんでした。

そう、この先輩は「実務で使える営業マン」だったので、信用されていたのでした。この先輩と案件を一緒に重ねていくうちに、僕にも現場の経験・知識が蓄積されていきました。それがある程度蓄積してから、自分一人での営業でも売れる(仕事がもらえる)ようになりました。

経験・知識のあるなしは少し会話すれば、わかる人にはわかってしまいます。僕はその時まで、これに気づいていなかったし、新卒でそれを醸し出せるはずもありませんでした。売れないのは当たり前です。

僕が売れ始めたころ、上司は満足して「な!俺の言った通り訪問頻度増やしてお礼状書いたら仕事取れただろ!?よかったな!!」と言ってきましたが全然違うわボケ!と思いました。僕がお客さんにとって有用な使える営業マンになったから、仕事を任せてもらえたのです。

お客さんだって、仕事が失敗したら困ります。だから、ちゃんと経験と知識がある人にしか任せたくないのは当たり前です。そこをすっ飛ばして、訪問頻度あげて手紙送りまくるなんてストーカーもいいとこです。

僕は運良くこの先輩のもとで学べましたが、運がなかった同期は悩んだ末に売れる前に辞めていきました。彼らも素直ないい人たちだったので、上司の教えを信じて、熱心に訪問していました。

なのでもし、後輩を指導する立場にある人がこのブログを読んでいるなら、新人に新規開拓などやらせないでください。まずは実務の経験と知識を積ませてください。それが一定のレベルになったら、既存客を任せてみて、ブラッシュアップを行います。ここでも、初めて遭遇するトラブルやクレームがおきますが、そこは既存顧客。良い練習相手になってくれるはずです。

もし既存顧客を失ってしまったとしても、それはその担当営業の経験となりますから、決して100%の無駄ではありません(大口顧客はやめときましょう)。そうしてさらに強化された一人前の営業マンになってから、はじめて新規開拓がスタートするのです。

こうしてスタートした新規開拓は、営業マンが経験と知識を持っていますから、お客さんにとって「使える」状態で始まります。これこそが真の意味での「営業マンは商品を売る前にまず自分を売る」なのです。

知識経験豊富な使える営業マンがきましたよ。なんでも相談してください!あぁ、それはこういうことですから、こうしたらいいんじゃないですか?それにはこんな商品がありますよ。ってやるから売れるのです。

今の時代、お客さんは「売り子」なんて求めていません。
一緒に課題解決してくれる、コンサルタントを求めています。コンサルが適切だから、売れるのです。

売れなくて悩んでいる営業マンへ。

お客さんにとって「使える」営業マンになれるよう努力してください。もしくはお客さんの問題を一緒に解決すべく動いてください。訪問回数や時間ではないです。

もし自分(自社)がそのお客さんの困りごとを解決できそうにないな、と思うのだったら、そのお客さんに売る事は難しいですから、他を探しましょう。その精度をあげるために勉強しましょう。経験しましょう。その練習相手を既存顧客で探しましょう。

もし、上記を理解してくれない上司や会社だったら、コッソリ経験を積むか、見切って転職しましょう。上司も社長も、簡単には変わりません。変われないんです。それを変えようとしても逆に潰されてしまいますし、それだけのリスクを負う必要はないと思います。第一、そういう上司がのさばっている会社は遅かれ早かれ衰退します。だって間違った方針なんだもの。

彼らをフォローするとすれば、彼らのやり方は日本全体が成長していた頃の営業手法だったということです。残念ながら現在では通用しません。それをわかっていない人が上司なのが問題なのですが…

「営業マンが自分を売る」とは「自分は使える有用な人物だと伝えること」と結論付けて、結びといたします。

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