気力の消耗に関するレポート(問題児調教編)

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ライフハック

前回の記事までで「電話」は、その行為自体が格闘のため気力を消耗するし、電話によるロスタイムによって時間も無くなって時間に追われてさらに気力が消耗する、と述べた。

つまり電話をいかに減らすか?が気力の消耗には有効なのである。

ではどうやって電話を減らすのか?ということについて本記事では解説していく。

また、気力を大きく減らすことのひとつに「謝罪」もある。

これに対抗し気力の消耗を抑える方法もお話しする。

原因は「問題児のお客様」にあり

まず結論からいこう。

電話が増えてしまうのも、謝罪が発生してしまうのも、突き詰めていくと

「問題児のお客様」が原因になっているケースがとても多い。

これだけでも「あぁ〜」と思う人は多いかと思う。

そう結局のところ、全てのお客様がめんどくさいわけではない。

特定の、しかも少数のお客様が、毎回毎回、同じようなトラブルを起こしたり、無茶を言ってくるから対応に奔走し、各所に謝罪し、電話チェインも発生するから、こちらは気力を失い、ストレスを溜めてしまうのだ。

僕はこのようなお客様を「問題児」と呼び、注視するようになった。

特に気力を削る「電話」が絡むという点で、問題児の行動は、これらが挙げられる。

  • 急ぎの納期(「即納」の乱発)
  • 高圧的態度
  • とりあえず電話

この他にも、各々の業態や商品サービスによって「問題児」の繰り出してくる技は変わるだろう。

化学メーカーという立場にいる僕には、大きくはこれらの分類ができる。

まずは「教育」を

筆頭にあげた「急ぎの納期(即納の乱発)」は、「明日もってきて!」とか、すごく遠い場所なのに「明後日納入希望」など、物理的に無理な納入日を指定してくるお客様である。

また、タチが悪いのは「即納」で、言い換えると「なる早」である。

こうなると、自社でできる最短の対応をせざるを得なくなり、現場も疲弊するし、そのための依頼をするこちらの気力も減る。

「A社さんが即納って言ってるんですけど、最短でいつだせますか?無茶言ってすみません…」

となんで僕が謝らなければならないんだ、というような内容になる。

これも立派に気力を削る。

しかもこの「即納」に対しては素早い対応が求められるので、必然的に「電話」にも複合しやすく、かつ「謝罪」も絡むので最悪である。

このようなお客様に対してはまず「教育」を行う。

  • なぜ◯日以上の余裕が必要なのか
  • ◯日のリードタイムがもらえなかったらどうなるのか
  • 他のお客様で起きた事故の事例

このあたりをちゃんと説明する。

例えば、

「貨物船の予定の確保は最低でも7営業日以上必要で、その枠が取れないと出荷ができない。

つまり納期が遅れて、手元に届けたくても届けられなくなってしまう。

しかしこれを繰り返していたお客様がいて、ある時本当に間に合わなくて期日までに納入ができなかった。

製造ラインがストップして大きな損害が出たが、当社としてはどうしようもなかったし、保証もできなかった」

というようなことをメールや電話で説明するのである。

できれば証拠を残す意味でもメールが好ましい。

大切なのは

「ウチもできる限りは協力するけど、それでも限界はある。それで困るのは結局あなたなんですよ?」

ということをハッキリ宣言しておくことだ。

これを第一段階として「教育」と呼ぶ。

知能のあるお客様ならば概ねこれでわかってくれて、改善がなされる。

「おうそうか、それは危ないな。では1週間の余裕を持って発注しよう」などとなる。

意外にも、このような「教育」をちゃんとできる営業マンは少ないようで、

「こんなこと教えてもらったの初めてだった。もっと早く教えてくれていたらいいのに」

と言われることも多い。

言えばわかってくれる人も多いのである。

次に「調教」を

先述の「教育」を施しても耳を傾けないお客様もいる。

「ウチは客だぞ!多少の納期頑張ってくれないと困るよ!

今までもできてたじゃん!ウチはやり方、変えないから!」

というように協力的でないお客様も、一定数いる。

こういうお客様には「教育」ではなく「調教」が必要だ。

話して、アタマでわからないお客様は、ムチでシバくしかないのである。

とは言え物理的にシバくのではない。

あえて無茶なお願いを叶えず、困らせるのである。

ビジネスでの「痛み」を与えるのだ。

ペナルティを与えるのである。

先述の例だと、「明日納品して!」というお願いが来たとする。

これを、頑張れば納入できるかもしれないが、意図的に明後日にしてしまうのだ。

叶えてやらないのである。

ルール通りの対応をしてしまおう。

この時は多少、演技をする。

「大変申し訳ありません…なんとか間に合わせようと尽力したのですが、どうしても前日だとトラックの予定がどこもいっぱいで、物理的に届けられないことがわかりました。

最短で明後日になるそうです。申し訳ありません…」

とアカデミー賞を狙うくらいの演技で、神妙に謝るのである。

お客様は

「えぇ〜!?困るよ!明日作れないとウチが納期を守れない!困るよ!なんとかしてよ!」

と言ってくるだろう。

しかしこの前段階で先述の「教育」をしているので、こちらは予防線をすでに張り終わっているのだ。

「なんとかしたい気持ちはあるのですが、物理的にどうしても難しく…

先日お話ししたように、トラックの手配には日数がいるんですよ…」

ここである。

この「先日お話ししたように」が最大のポイントになる。

「オレ、言ったよね?」と暗に込める。

相手も覚えているだろうから、自分たちに非があることを察する。

ちなみにこの時には形こそ「謝罪」の体になっているが、その内心にはストレスはないはずだ。

「クッソ焦ってて草。今まで散々ワガママやりおって…オマエが上司やお客に怒られろ!ザマミロ!」

という心境になっているので謝罪の言葉を述べつつも、その内心は痛快・爽快な気分で電話ができるはずだ。

この時ばかりは気力は減らない。

こうして実際に希望通りに納入ができなくなり、先方では諸々の調整が必要になり、その担当者は上司や同僚から怒られるのである。

この強烈な嫌な思い出が、このお客様を「調教」する。

痛みを以て、調教が達成されるのだ。

※ただしビッグユーザーの「調教」は慎重に判断すること。

会社の数字に大きく影響を与えてしまうようなビッグユーザーは、自社内のエラい人に相談して、「調教」する許可を得て、どの程度までやるか決めてから、その上で実行しよう。

根回しせず、独断で許可なく「調教」して、その結果、取引打ち切りなど、会社に損害を与えてしまっては、あなたの責任になってしまう。ビッグユーザーの場合は、事前に相談しよう。

 

僕の体感だと、まず「教育」で7割は改善する。

そして残った3割のうち、2.5割が「調教」を経て学習し、改善する。

残った最後の5%は、全面戦争に突入する。

最後には「全面戦争」を

「教育」も「調教」もくぐり抜けて、なお言うことを聞かないお客様も残念ながら、いる。

このようなお客様は、長い目で見ると自社のためにならないお客様である。

もちろん先述のように、ビッグユーザーかどうかは考慮する必要があるが、たとえそうであったとしても、パートナーである自社に、無茶な要求を繰り返すというのは、お付き合いしていくには値しない。

よほど法外な利益が得られるようでなければ、現場が疲弊して、結果ダメになる。

そのため、これも自社のエラい人と相談しよう。

「このお客様、こういう理由で自社のためにならないので、こちらから取引停止を申し出てもいいですか?」

と聞く。

そこで自社への貢献度(売上・利益)や付き合いの古さ、現状の困っていることなどを総合して考えて、エラい人が

「確かにこの点で改善されないということであれば、今後お付き合いを続けていくのは難しいな。

取引停止を匂わせて、最悪、取引なくなってもヨシ!」

という御免状を頂けたら、あとはもう俺のターンである。

「協力か取引終了か」を迫っていくのである。

「コーランか剣か」のように迫っていく。

相手にとって必要な品物を納入しているのであれば、必ず折れる。

「取引停止」というカードをチラつかせると一気に「キャン」言う(ナニワ金融道)。

もし「あっそ、じゃ他から買うわ」となってしまっても、所詮その程度のお客様である。

失っても良いという御免状をもらっているから、自社内的にもあなたはノーダメージで済む。

そして面倒なお客様がひとり消えるのだ。これだけでも十分な収穫である。

「とりあえず電話」ヤロォ

最後の問題児は、「とりあえず電話」の人である。

これはお客様のみならず、代理店や商社マンにも多い傾向がある。

代理店・商社マンの中には、電話すればするほど親密度が増す、と考えている人もいまだに多く、特に年配の営業マンは何かと電話をかけてくる。

「それメールで良くね?」

「それ急ぎだったか?」

「その電話、必要だったか?」

という内容も多い。

また電話チェインも誘発しやすいため、まず自分にかかってくる電話を減らす努力をしていく。

それも先述の「教育」「調教」と同じメカニズムがある。

まずは基本だが「自分からは電話しない」

「あっこの人は電話かけてもいい人なんだ」と思わせないのが第一歩となる。

緊急でなければ、メールする。

これで標準的な知能を持つ人ーー7割くらいは、察する。

基本のコミュニケーションがメール媒体になる。

それでも察してこない3割は、あえて電話に出ないという手段を取る。

そして時間がある時に折り返すか、メールで要件を聞く。

「すみません打ち合わせ中で出れませんでした」

「すみません移動中で」

などと言って「わからせる」。

流石にこれが何度も続けば

「あぁ、この人はなかなか電話では捕まらないんだな」

と察して、残った3割のうち2割は改善する。

そして最後の1割は、物理的にメールが使えないおじいちゃんなので、ここはあきらめる他ない。

しかしこれでも大部分の「とりあえず電話」ヤロォを削減できたはずだ。

まとめ:自分のために教育と調教を

まとめよう。

雇われ人仕事における気力消耗とは

  • 謝罪
  • 電話による精神格闘
  • 時間に追われる

これらが大きく、その根本には「問題児」の存在がある。

結局は、その「問題児」から、しなくてもいい謝罪と、電話による格闘と、電話によるロスタイムが複合して、気力を大きく削ってしまうのである。

もちろんこの問題児、自社にとって好ましくないお客様であることが多いので、自社のために教育・調教・排除をしていくことは、自社にとっても良いことと言える。

しかしながら、結局それは自分のためになるのだ。

日中に、気力を削ってくる問題児を排除できたなら、多くの気力を残して帰宅できる。

そうすれば副業や勉強ができるし、そもそも雇われ人仕事のツラさ、ストレスも減る。

そう他ならぬ自分のために、長い目で見て、根本治療をするのである。

以上、気力の消耗に関するレポートだった。

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