哀しき営業マン達

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日記

最近、立て続けに哀しき営業マン達に遭遇した。僕は今ではゆるふわホワイト企業で、ストレスフリーな毎日を送っている。しかし、かつての僕もまた、ブラック企業に務める社畜であった。

路上名刺交換

皆さんも経験があると思うが、大きめの駅やオフィス街でやたら若い男女が「すみません!会社の研修で名刺交換をしておりまして!」と元気に言ってくる。東京では割といる。大体が、不動産の販売会社だったり、資産運用関係の会社だ。

「研修」と称して見ず知らずの人に名刺交換をさせるこの会社…確信犯である。右も左もわからない、新卒にノルマを課してやらせている。ちなみに僕は初めて遭遇した時に、名刺交換をしたことがある。そこからはリストに載ってしまったらしく、たまに会社に電話が来てしまうようになった。というか、そういう電話は夕方、僕以外にもたくさんかかってくる。

こういう会社は何の疑いの余地もなくブラック。というかCSRの意識すら全くない。国家に取り締まって欲しいレベルの所業である。そしておそらく、ノルマを達成できなかった人はバチクソに怒られるんだろうなあ…

日曜の夕方訪問の住宅営業マン

日曜の夕方、僕が自宅でくつろいでいるとチャイムが鳴った。インターホンを見ると、オジサンの頭がすごく近く映っている。「どちら様ですか」と尋ねると、「わたくしXXのYYでございます。本日は戸建て住宅のご案内に参りました…」と低姿勢で言う。僕は東京近郊で新築など建てるつもりはないので、お断りしたのだが、すごくイヤな気持ちになった。

日曜だぞ。

夕方だぞ。

何であの人…あんなこと、させられてんだよ…ッ!

ふつふつと、怒りと哀しみが込み上がってきた。そのオジサンは40代後半くらいに見えた。日曜の夕方にマンションを巡って訪問営業するのは、なるほど確かに理にかなった営業方法だろう。マンションに住んでいる人なら、これから自宅を買う可能性があるし、在宅しているだろう。作戦としては正しい。しかし…そんなことをしなければ、売れない商品だと言うことも同時に示している。

寿命が尽きた商品

営業マンがこのように積極攻勢しなければ売れない。僕に言わせれば、そんな風に無理やり売らなくてはならない商品なんて、寿命が尽きている。僕は今の勤務先で営業をしているが、お客が「欲しい」「売ってくれ」と言ってくるものを売る商売をしている。だからストレスがない。勝手に売れるから。

かつての僕は、前職で、このオジサンと似たようなことをしていた。お客さんの仕事がひと段落ついた平日の夕方に事務所に訪問し「仕事ないですか?見積もりさせてください」と頭を下げて回る営業をしていた。オジサンの営業を見て、過去の自分を思い出した。

売れないものを、必死に売る。これほどむなしいことはない。

会社はいいよ、痛まないから。でも現場で頭を下げる営業マンは疲れるし、悲しくなる、つらい。僕は現職を経験したから、もっとわかる。良い商品は勝手に売れるもの。こういう無理やり売らなくてはならないような商売は、もう寿命が尽きているのだ。少なくとも、その会社はもう、淘汰されかかっている。その土俵際で粘らされているのが、このオジサンみたいな人なんだ。

かつての僕もそうだった。20年前の最新技術は、既に陳腐化し、競合品で安いのがたくさん出ていた。とっくのとうに寿命がつきている商品を、営業力というただの根性で売っていた。

誰が悪いのか?

それは寿命が尽きていることを知っているのに値下げも改良も撤退もしない社長だった。

商品の仕様も、値段も、仕入れも、販路も、営業マン個人の裁量で動かせるものは何もなかった。それらの条件を背負って、毎日どれくらい稼働するかしか、営業マン個人には決められなかった。当然、マックス稼働しか許されない。

こんなことは、もう続けてはダメなんだ。これを止める方法はただ一つ。人が辞めることだ。労基署のカチ込みでは潰せない。逃げ道は無限にある。

残酷で無能な社長達は、自分が痛まないことをいいことに、安月給で営業マンを雇ってローラー作戦を繰り返す。これは、人がいなくなったらできなくなることだ。

だから、みんな辞めてしまえばいい。人がいなくなったら、その会社は営業不能になって潰れる。淘汰される。それでいいんだ。そういう会社は淘汰圧に抵抗せず、潔く淘汰されればいい。そうすれば、ブラック安月給で苦しむ人が減る。淘汰されるべき会社は淘汰されるべき。土俵際で粘らないこと。営業マンが土俵際で粘れば粘っただけ、その会社の寿命は無駄に延びちゃう。

ダメなんだ死なせないと。そういう会社は、死なせてあげなきゃいけない。

営業マン総辞職による、安楽死。

それしかない。儲かっていなくて淘汰されかかっているような会社は、延命させてはいけないんだ。

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