僕は化学品のメーカーで営業マンをやっています。その前は建築業の営業マンでした。業界が違うと難易度がスゴイ変わることを実感しました。文系MARCH卒、テニサー資格は普免のみ。そんな量産型の兵隊の意見です。
化学の業界、オススメです
オススメな理由
- 定時で帰るのがふつう
- 儲かっている会社が多い
- 機械集約的なビジネスモデル
順に説明します。
①定時で帰るのが普通
理由は簡単、工場が閉まるからです。自社も、お客さんの会社も、夕方には工場が閉まります。工場が閉まっちゃったんだから、もうどうすることもできないよ、また明日ね。という雰囲気が業界全体にあります。なんなら夕方4時にはもうそういう雰囲気スタートです。これは業界全体の常識だから破られることがありません。
仮に、これを破ってブラック化しようとする会社が出てきたとしても、誰も付き合わないので自滅するでしょう。この強固な土壌は強い!みんなの共通認識=常識であるということが強いのです。
僕は建設業という昼夜土日関係ない業界からやってきたので衝撃でした。建設業は逆に夜勤バリバリ土日バリバリな業界なので定時とか関係ないです。これは僕以外にも他業界からの転職者、みんなに共通する意見でした。
最初が化学業界だった人は逆に気をつけてください。ユートピアから出たらスゴイ業界で世の中はあふれていますよ…
②儲かっている会社が多い
なぜ儲かっているのかというと、川上(かわかみ)の製品を独占的に作っているからです。いわゆる「原料」をつくっている会社です。原油を精製して石油製品の「もと」を作っているところですね。
石油を精製して、プラスチックやゴム、化学繊維をつくっていますからほとんどの部品の源流となるところです。ここが原料を作らないと、そこから川下になる企業は原料が手に入らない。そして石油の精製は大規模な工場・技術・人員が必要なので、新規参入が難しいです。なので事実上、独占になっています。世界中を見渡しても競合が少ないから値段設定も強気でいけます。もはや半分、社会インフラです。
もしこれらの企業が生産をやめたら、世の中の製造業は成り立たなくなるし、世界中で供給量が不足して原料が高騰すること間違いなしです。たま〜にある定期修繕で「ゴメン!工場少しストップするわ!」だけでも原料の量が減って高騰したり、エライ騒ぎになります。こういう会社は強いです。そして日本は石油化学工業が歴史的に強いです。ただ、ここまでの川上のポジションになると旧財閥系・超大手の企業となり、MARCHでは潜り込むことすら難しいです。早慶でも厳しいかも。
ちなみに…
私が勤めているのはそこから少し、川を下ったところにあります。少し川を下ると、さきほどの原料をちょこっと加工して使いやすい形に変えているメーカーがいます。私はここにいます。
相変わらず大企業もいますが、超ビッグネームではなく、中小の専業メーカーが活躍している層です。この層も、設備的な制約やノウハウ、業界での信用と実績もあり新規参入は難しいのです。つまりオイシイ層です。実際、儲かっています。
さらにさらに、もっと川を下ると、「商社・小売」が出てきますが、長くなるテーマなので別ページに書きます。
③機械集約的なビジネスモデル
これは言いかえると、「労働者が頑張っても売り上げが増える仕事ではない」ということ。資本(設備)集約的とも言います。つまり、機械が生産を頑張ってくれるということで、生産の大部分を機械に頼っているよということです。
機械が頑張ってくれるから、働いている人はラクなのです。これと逆の労働集約的な会社は、ブラック化します。なぜなら労働者が頑張った分だけ会社は儲かるからです。経営者は、労働者を限界まで働かせて利益を最大化します。まあ、いわゆるブラック企業で有名なところってよく見ると労働集約的な会社ばかりです。労働者が頑張ればなんとかなる!売れる!みたいな。だから頑張れ!みたいなね。
「営業代行会社」とかモロにこれですね。営業マンだけがいるような会社で(事務の女性が1人だけとか)リソースは営業マン(=労働力)だけです!みたいな会社。いわゆる商社ですね。
一見、自社オリジナル製品を扱っているように見えても、自社に工場がなく他社から仕入れていたり、輸入している場合も同じです。仮に会社が儲かっていても、そこで働いている人は大変ですよ…
まとめ
①定時で帰るのがふつう
②儲かっている会社が多い
③機械集約的なビジネスモデル
これをもう一度見てもらうと、化学業界がホワイトな理由がわかってもらえたかと思います。儲かるから、ホワイトになれるし、機械集約的だから、ホワイトなのです。
そして最後に補足すると、化学業界は地味なので、若者がいません。オッサンどころか、おじいさんが営業の第一線でがんばっています。というか、代わりがいないんです。だから20〜30代の営業経験あり男子は引く手あまたです。ブラック業界、ブラック企業で苦労する必要なんかないのです!
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