気力の消耗に関するレポート(「謝罪」対策編)

ライフハック

前回の記事では、主に「仕事」における消耗ポイントを解説した。

おさらいすると、

  • 謝罪
  • 時間に追われる
  • 電話

この3つが主に気力を激しく消費する。

これらをいかに避ける、もしくはダメージを軽減するか?が気力の温存につながる。

気力を温存しなくては、帰宅後のいわゆる「放課後」に何かを為すことは難しい。

ベストを尽くし開き直る

まず、「謝罪」に対してはベストを尽くし開き直るという対策をしていきたい。

お客様や同僚から頼み事をされて、それに応えられないとき、謝罪する場面がある。

しかもその依頼が明らかに無茶だったり、実現可能性が低かったとしても。

「それは無理です」の後には「申し訳ありません」がくっついてしまう

この「(ご希望に副えず)申し訳ありません」という謝罪すらも、僕らの気力を削ってしまう。

こちらに明確な落ち度がないのにも関わらず、謝罪の要素を含むこの「お断り」の謝罪は、結構頻発するので甘くみてはいけない。

そしてこの手のパターンは、対策しなければ無限に湧く。しかも同じところから。

ここで見逃せないのは

  • 「同じところから」
  • 「同じパターンの要求がくる」

という点である。

無茶振りお客様

たとえば、夕方にこういう電話がかかってくる。

「明後日、Aという品物を20個、急ぎで納入してくれないか。在庫無くなってしまった」

オイオイ、この夕方の時間のお願いじゃあ、実質的に翌朝の連絡になって、明日発送じゃないか。

そもそも在庫はあるのか?

運送業者は手配できるのか?

と、まずこのような格闘が脳内で繰り広げられて消耗するというのもある。

そして工場や業者に連絡して聞いてみるも

「さすがに明日すぐっていうのは無理です。明後日出荷、その翌日納入ならできます」

と回答が来る。

それを受けてお客様に

「申し訳ないのですが、明後日の納入は配車都合で難しく、明々後日しあさっての納入が最短になりそうです」

と回答する。

もうすでに謝罪が入っているし、お客様を気遣う要素も入ってしまい、気力を消耗している。

しかしここで

「いやいや明々後日しあさってじゃ困るよ!ウチはもう明後日の午後には作業に入る予定なんだ、何がなんでも間に合わせてよ!なんとか調整してよ!」

などという。困る。

ここで自分は、「えぇ〜何言ってんだ無理って言ってんじゃん…」と思いながらも、ダメ元で工場や業者に電話して、お願いする。しかし、やっぱりダメ、というケースも多い。

しかもこの「ダメ元の確認」が、謝罪の属性を帯びているので、気力を燃やしてしまう。

そこでもう一度お客様に電話して

「大変申し訳ないのですが、調整できませんでした。最短はやはり明々後日しあさってになります…」

と回答する。お客様は

「え〜本当に無理なの?困るんだけど!でもそれが最短なら仕方ないか…わかった、こっちで調整するわ!」

となって、終わるのだが…どっと疲れる。

結局、お客様の要請に応えられず申し訳ないと思い、この電話でも謝罪をしたからだ。

気力を大きく使ってしまったのだ。

お客様を教育する

ここで気をつけてもらいたいのは、自社には全く落ち度はない、というところだ。

まず急な発注と納期は、お客様のミスと言える。

なぜ明後日必要な材料をギリギリまで発注していないのか。

また運送業者に関しても、その作業の実態や、受注ルールに照らし合わせれば、適切な回答だった。

となれば、今回のこのケースは、お客様の無茶振りから始まって、無駄に自分の気力を消耗してしまったということになる。

そして最も問題なのは、このお客様は何らかの手を打たなければ、

何度も何度も同じことを繰り返すであろう、ということだ。

実際、僕も永らく、同じパターンで苦しめられてきた。

その中で気が付いた。

「このお客様、仕組みをわかってないのでは?」

仕組みとは、受注して、品物の検品をして、車の手配をして、発送して、輸送して、納品されるというスケジュールのことだ。

これらのプロセスが最低でも何日かかるから、発注からの納品までのリードタイムは最低でも何日(営業日)が必要なのか?を知らないから「とりあえず急ぎで!」しかできないのではないだろうか。

実際、お客様もいろんなレベルの人がいて、レベル高い人はこの辺の事情を知っているから配慮して注文をしてくるのだけれど、そうでない昭和のオッチャン系の発注者はこの辺を理解していない。

そこで、こういう無茶なことを言ってくるお客様には、仕組みを説明する。教育するのだ。

「検品に1日、その翌日から車が手配できたとして翌日出荷、余裕みてさらに1日となると、オーダーから最短で4日後が最短納期です。

また、この場合は午前中までにオーダーをもらえないと間に合わないのでご注意くださいね」

するとお客様は

「そうか〜最低でも4、5日はかかるのね。そしたら在庫は1週間前には確認しねえとなぁ」

と言って、意外にもそれだけで改善したりする。

警告という予防線を張る

それでも直らなかった場合には

「先日言ったじゃないですか〜明後日納入は無理だって…」

という会話になり、少なくともこちらが悪いという雰囲気にはならず、謝罪の属性はなくなる。

「言ったでしょ?」という気持ちがこちらの気力の消耗を防いでくれる。

これがひとつ目の対策、ベストを尽くし開き直るである。

「こちらができるのはここまで。ここまでは頑張ります。でもそこから先はちょっと無理です」と明確に事前に宣言し予防線を張っておく。

もちろんこの「無理」のラインは、お得意様と小ユーザーでは変わる。

当然、ビッグユーザー、お得意様ならば無理は結構聞いても良い、サービスしてよい。

逆に、小規模なユーザーはそこまでサービスしなくてもよい。

できるところまでしか、サービスしない。境界を明確に作る。

僕の経験では、数が多くて規模が小さいユーザーに限って無茶な依頼をしてくるので、そこをいかにやっつけていくか?が気力の防衛にはポイントとなる。

そこに対しての処方箋が、ベストを尽くし開き直る、なのである。

そのためには事前の説明が要る。

「ウチができるのはここまでですから、お気をつけくださいね」と宣言するのだ。

多少の時間はかかるが、そこは下地を作ると思って、時間を割いて説明しよう。

「私、言いましたよね?」の状態、予防線を張っておくことが大切だ。

この状態になれたら気力は減りにくくなる。

気の持ちようを切り替えていく

「謝罪」に関連する気力の現象は、やはり精神的な心の持ちようが大きなウェイトを占める。

特に優しくて、責任感ある人ほど「お客様が困っている!なんとかしてあげなくては!」と思うものだ。

もしくは、「自分のせいでお客様を怒らせてしまって、取引が無くなってしまったらどうしよう。

お客様を怒らせないためにも、言うことを叶えてあげなくては」

と思うかもしれない。

実際、僕もそう思っていた時もあった。

しかしながら、そういう気持ちで仕事に取り組んでいて、ある日わかったのだ。

お客様の無茶な要求に全て応えていたら、自社は負担が大きいな、ということに。

当たり前のことだが民間企業というものは、慈善事業ではない。収益を上げることが目的だ。

従業員たる自分は、その仕組みを駆動させて、メンテナンスする係なのである。

その仕組み・収益稼ぎマシーンが順調に回っているところに、お客様からの無茶振りという異物が飛んできて、トラブルを起こしてしまう。

となれば、そのトラブルを未然に振り払い、なるべく排除する努力が、求められる。

その全体最適を考えれば、すべてのお客様を必ずしもVIP待遇する必要性はないことに気が付く。

全てをVIP待遇していたら、物理的に回らないし、本当に優遇すべきお客様を優遇できなくなる。

本当に優遇すべきお客様は、どんな商売にも必ず居る。

取引の回数・金額や、内容を精査する。要するに儲けさせてくれるお客様かどうかだ。

もし、自分だけでわからないならば周りの人に訊いて、大事なお客様なのか、そうでないのかをジャッジしよう。

その上で、できることとできないことを説明して、優位な土壌を組み立てておく。

その下地ができていれば「ね?無理って言ったやん…」と思えるようになって、気力を消耗する度合いが大きく減る。

「謝罪」に対してはベストを尽くして開き直ろう

我が声は畏くも帝の声である

それでもお客様に対して申し訳ない、自分のせいで取引なくなったらどうしよ、と悩む人もいるかもしれない。

その場合は、そのことを素直に上長に相談しよう。

「こういう無茶振りしてくるA社さん、実は現場も協力業社も困っています。

できないことはできないって断っちゃっていいですか?」

と相談し、許可を得よう。

あくまでも、自分が嫌な気分になるから、ではなくて、現場の人や協力業社が困っている、通常業務の妨げになっている、というテイで相談するのだ。

ここで、そのお客様が小規模で、重要でないユーザーであれば

「A社はそんなにいうこと聞かなくていいよ。ルール通りに対応していいよ」

等の許可が降りれば、こちらものである。

「我が声はかしこくも帝の声である!!

よってこの”いくさ”の参陣に遅れたる者は朝敵とみなすゆえ

肝に銘じておかれよ!!」

『花の慶次』11巻より

と豊臣秀吉よろしく強い気持ちで対応ができる。

何しろ、上長の許可という強い後ろ盾がある。

こうなればもはや自分個人の責任から離れて会社方針として、対応ができる。

それに逆らうお客様はもはや敵として排除する大義名分が得られるのである。

次の記事では時間に追われることと、電話に対する対策を説明していく。

つづく

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