幻術使いたち

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ライフハック

幻術―――それは、ナルトで出てくる相手の五感に作用して自由を奪う術のことである。優れた術者にかけられた幻術は強力で、まともにかかってしまうと解除が難しい。

幻術にかからないように精神を強く持って抵抗(レジスト)したり、術のきっかけとなる「目を見る」などを回避することで対抗することができる。もしくは「かかってしまったか!?」という自覚が残っていれば、自分の身体に痛みを与えることなどで復帰することができる。

そんな幻術はファンタジーではないことを最近体験したので、共有する。

幻術使い=インフルエンサー(笑)

結論から言うと、幻術をかけてくるのはインフルエンサー(笑)だ。なぜ「(笑)」なのかといえば、彼らは自分で自分をすごいものに見せてくることに必死だからだ。真の「インフルエンサー」は周りがすごいと呼び、実際に優れた実績を残す。

インフルエンサー(笑)は、実は何者でもないことが多い。実際の人物は大した実績も、経験もなく、なんだかそれっぽいことを言っているだけだ。そしてその「それっぽいこと」は書籍の引用であったり、誰かの受け売りだったり、とにかく「軽い」。自分の体験や苦労を由来とする「思考」で練られていない言葉だからだ。権威を借りたり、論文の過度な引用などもこれにあたる。

幻術:自己ブランディングの術

そんなインフルエンサー(笑)がなぜ、人々に幻術をかけることができるのか。それは彼らが「自己ブランディングの術」を使うからである。

例えば…

  • 年商1億円
  • 短期間でフォロワー10万人
  • note売り上げXXX部突破
  • 株式会社XXXX代表

とか、そういう数字や肩書きである。え?別に何が悪いの?と感じるかもしれない。そう、それはその通りだ。これらの数字は、別に悪事でもなんでもない。

しかし、それを「自分から積極的に出している」ところが幻術なのだ。この自己ブランディングの術は、別に悪事ではない。しかし、次に紹介する「ハロー効果の術」への布石となるから、術を受ける側はこの自己ブランディングの術の時点で、抵抗(レジスト)の構えを準備しておいた方が良い。

自己ブランディングの術は、実は捏造可能、もしくは簡単にできることをスゴいことのように見せることができるところが悪質である。例えば、年商1億円は、誰かと組めば簡単に実現できる。「年商」とは売り上げのことであるから、タッグを組んでいる相方に、100万円でボールペンを買ってもらって、それをまた100万円で売ることを100回やれば、1億円になる。もちろん税金や印紙代などのロスは発生するが、実現は可能なのである。

フォロワー数だって、業者から買ったり、プレゼント企画で伸ばしたりすることだってできる。手法は問われていないのだから。

note売り上げも身内で買って、リアルで返金すれば手数料の損失だけで済むし、株式会社の代表だって、書類さえ通せばペーパーカンパニーは誰でも作れる。

もちろん上記はかなり極端な例であるが、基本原理は「捏造可能」であるということだ。だから幻術なのだ。

幻術:ハロー効果の術

先述の自己ブランディングの術を交えた自己紹介を受けると、普通の人は

「おぉ〜この人はすごい人なんだなぁ。成功者なんだなぁ。力ある人みたいだから、話を聞いてみよう」と思う。かくいう僕も、この段階までは、術にかけられてしまうこともある。

このような「権威付け」をハロー効果という。

ハロー効果とは社会心理学の用語で、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。光背効果ハローエラーともいう。例えば、ある分野の専門家が専門外のことについても権威があると感じてしまうことや、外見のいい人が信頼できると感じてしまうことが挙げられる。

wikipediaより)

先述の「自己ブランディングの術」で、自分の実像よりも、自分を大きくみせる。そしてこのハロー効果の術が発動し、レジストができない者は信じ込んでしまう。そうして脱落しなかった者は、幻術にかかってしまっているから、次の「マネタイズの術」を掛けられて一丁上がりになる。

このハロー効果の術への対抗方法は、まずはハロー効果というものの存在を知ることから始まる。自分の心がハロー効果によって動かされていて、評価を補正していることを自覚できるかどうか。そこがレジストできるかどうかの分かれ目である。

自分の「主観」は感情に左右されてしまう。プラスにもマイナスにも、いかようにも解釈ができるからだ。ハロー効果がある状況下では、その人に対する評価が正常にしにくくなる。この精神のはたらきを悪用するのが「幻術:ハロー効果の術」だ。

いわば人間の持つバグを、うまく利用するのが、幻術の基本となる。

幻術:マネタイズの術

こうしてハロー効果の術までかかってしまい、レジストできないと、次は仕上げの「幻術:マネタイズの術」を掛けられることになる。この術は、まさにあなたをマネタイズする術である。具体的には、有料サロンや有料メルマガへの登録を促されたり、有料の教材を買うように誘導される。ちなみにインフルエンサー(笑)たちは、このマネタイズという言葉が大好きだから、良識ある人は使わないようにしておこう。同族と思われてしまうぞ。

まず、有料サロンと有料メルマガは「毎月定額を支払う」という性質を持っている。これが、インフルエンサー(笑)にはオイシい。後述する「有料の教材」は基本的には買い切りであり、瞬間的な収入増にはなるが、継続的に、安定的な収益とするには向いていないのである。

毎月定額で入ってくる収入。それはインフルエンサー(笑)が最も欲するものだ。彼らはサラリーマンではないから、定期的に入ってくる収入というものがない。アフィリエイトやYouTubeの広告収入は浮き沈みの大きな収入だから、非常にアテにならない。

GoogleやYouTubeのSEOアルゴリズムの変更や、広告主がアフィ案件から撤退したりすれば、来月はいきなりゼロになってしまう可能性を孕んでいる。もちろん可能性は少ないのだが、ゼロではない。そのため、インフルエンサー(笑)は毎月入ってくる収入源の確保を欲する。

そのためには、ファンを信者にして囲い込む動作が必要だ。これが先述の「自己ブランディングの術」「ハロー効果の術」である。そして全てはこの「マネタイズの術」への布石であるのだ。

抵抗の方法

ここまで幻術使いたちの幻術の数々を紹介してきたが、結局のところは最後に課金をさせる。ゆえに最後の「マネタイズの術」さえ見切れば、実害はないと言える。彼らが掛けてくる幻術の数々は、最後には「課金」に収斂するからだ。

ただし、お金という切り口だけでなく、時間というリソースを奪ってくることも見逃せないので、やはり幻術使いたちには気をつけるべきであろう。

動画のサムネイルで釣ろうとしてきたり、自らが広告主となり、あなたの眼前にことやかましく登場するような者は大半が幻術使いだと思った方が良い。真に良いものや良い思想というものは、自らが宣伝する必要などなく、勝手に広まっていくからである。

ウルサい連中、胡散臭い連中が増えてきたなぁと思ったらこれらの「幻術」に注意していただきたい。

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