【感想】サウザー白熱教室 マッチングアプリ編

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ライフハック

サウザー白熱教室レビュー記事。今回はマッチングアプリ編。

恋愛工学派では非推奨のマッチングアプリを、実際にやって検証してみた記録

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全3回。

メインゲストはマッチアップ編集長の伊藤早紀さん。本作のジャケ画像の女性はこの方。

マッチアップとはマッチングアプリの情報を発信しているサイトで(マッチアップ)、伊藤さんはご自身も20以上のマッチングアプリを体験した「マッチングアプリソムリエ」である(伊藤さんプロフィール)。

オブザーバーにはオトコ磨きラボ(サロン)主宰のくすおさんと、サロン共同運営でもあり『恋愛工学の教科書』の著者マスターゴッホ。

結婚という肩書き

まず、なぜこんなにマッチングアプリが流行っているのだろうか。その理由はVol.1で話題になる「結婚という肩書き」だ。男も女も、いい歳になれば親や職場で「結婚はまだか?」という言葉が浴びせられる。同時に、友達や親戚がどんどん結婚していって、結婚式に呼ばれるたびに「彼女はいるのか」と聞かれ、もしいたら「結婚の予定は?」と聞かれるのである。

まさに僕がそうだった。

そして、彼女がいたりすればまだマシだが、いない場合は同性愛者の疑惑をかけられたり、変なヤツ扱いをされることになる。僕は男性だが、女性の場合は親や親族からのプレッシャーや、既に子供を産んでいる知り合いなどからのマウント攻撃がすさまじいことは容易に想像がつく。

「こんなにうるさく言われるの、めんどくさいなぁ」と思うのは当然のことだ。

だから「既婚者」という肩書きを求めて、人々はマッチングアプリの海へ漕ぎ出していくのではないだろうか。そして、適当な相手を見つけて「既婚者」の称号を手に入れたら、あとは各々、独身生活と変わらない生活に戻っていく。当然セックスレス。そんなカップルが意外と多いそうだ。

「変なヤツ扱い」を避けるための生存戦略と言えなくもない。

弱肉強食の増幅器

サウザーさんはVol.2の紹介文で「男も女も記号として存在し、記号として消費されてゆく」と書いている。記号とは、「26歳男、会社員、年収500万円、趣味カラオケ」という情報のことだ。この記号を見て、「アリ」か「ナシ」かを男も女もお互いにジャッジしている世界がマッチングアプリだ。

さらに「29歳以下」や「年収XXX万円以上」といったソート機能をかけたりもする。大変無機質な印象を受ける。なんだか、初期の遊戯王カードみたく、特殊効果はなく、攻撃力が高いモンスターが最強、ブルーアイズが最強、みたいな印象だ。年収という攻撃力でぶっ叩き合っている感じ。

そしてそこで浮き彫りになるのは、弱肉強食の世界だ。つまり、強いものはとことん強く、弱いものはとことん弱い。逆転がない。強者の定義はこんな感じらしい。

男:年収。〜30代前半。

女:かわいい。〜20代中盤。

ここがひたすらに増幅されている。強いものが総取りして、弱者はとことん余る。そんな状況をサウザーさんは体験記としてこう語っている。

人間と人間の醜い欲望どうしが空中でぶつかりあうような感じで、

ウンザリして、気持ちが入らなかった

この感想はまさしく真だ。

僕らが旅行に出かけるときに、じゃらんで検索条件をつけて検索するのと似ている。欲望のままに、自分にとって都合の良い相手を探しあっている。そこでは「総合力」は問われない。総合力とは、人間性とか、趣味嗜好、考え方、価値観、などなど男女が一緒になるには避けては通れない「セッション」の部分だ。セッションについては、最終章で僕の意見を述べる。

最良の猟法は最善か?

サウザーさんは本企画にチャレンジしていく中で、とても効率よく「いいね」を集めたり、実際に会うための方法を編み出した。これはマッチングアプリのプロである伊藤さんにも「オフィシャルでは推奨できないけど、一番効率が良い方法」と言わしめた、いわば最良の猟法である。

しかしながら、最良の猟法が、最善とは限らない。

マッチングアプリをする人は先述の、既婚者という肩書きを求めつつも、それでも自分にとっての「運命の人」を、たった1人…そう、たった1人でいいから見つけたいと心のどこかで願っている。しかし残念ながら、マッチングアプリはそのような運命の相手を探すには、最善の方法ではないようだ。もちろんゼロとは言わないが、最善の方法ではないと思われる。このことについても、最終章で僕の考えを述べる。

貧すれば鈍する

マッチングアプリにおいては、男性は課金しなければ制限が多すぎて、満足に行動できないとのことだ(女性は無料)。マッチングアプリ運営会社も慈善活動でやっているのではないから、収益源は必要だ。この運営費を支えているのが、男性会員なのである。

今回、サウザーさんは取材のために多少の課金をしたとのことであるが、それも数万円単位になったとのこと。ということは、普通に利用している男性も数万円を課金しているのだ。

なぜ数万円も課金をしてしまうのか?

これは貧すれば鈍するという言葉で説明できる。

貧乏をすると、毎日その生活のことばかり考えるようになるから、人は知恵や頭の回転が衰えてしまい、賢い人でも愚かになるという意味。

マッチングアプリの場合「貧」とは女日照りで、セックス不足に苦しんでいる状態だ。そういう状態にあると、男は合理的思考ができなくなり、時間やお金を費やし始めてしまう。そして、それが無駄なことだと気が付けない。これこそが「貧すれば鈍する」の怖いところだ。

こうして、異性関係において貧しているものは、その弱みを突かれて、課金をするように仕向けられてしまう。もちろんこれは違法なことでもなんでもないのだが、資産を流出してしまうことが個人としては問題だ。非モテは、こんなところでも食い物にされてしまうのである。貧して鈍している者は、動きを読まれやすく、罠にかけられやすい。

なぜ僕がこんなに、さも経験者かのように語っているかって?何を隠そう、かつて僕は出会い系に課金して、完全に食われていたことがあるからだ。出会い系の場合、単なる個人売春の場だったのだけれど、基本構造は同じ。貧しているものが鈍して、食われるっていう形は同じだった。

僕が思う、結婚とは

最後に、僕の持論を述べておく。

皆、運命の1人を探しているが、そもそもそんな人、本当にいるのだろうか?本当は存在しないものは、いくら探しても見つかるはずはない。だって存在しないんだから。

では…そんな中でどうすれば良いのか?僕の答えとしては、波長が近い人を選ぶと良いと思う。波長とは自分が何を心地よく思うか、何を嫌うか、といういわゆる価値観のことだ。でも価値観という言葉ではちょっと不足だと僕は思う。もっと動物的な感覚が要求されるからだ。だから僕は「波長」という言葉を使う。

そしてこの波長には個々人に優先度がある。一概に測れない。お金よりも時間を優先するのか、逆か。仕事か家庭か、趣味か。思いやりか、合理性か。

この波長は、実は自分1人ではわからない。わかっているつもりでも、わかれない。鏡がなければ自分の姿が見えないのと似ている。

僕はその「鏡」にあたる部分が異性とのセッションだと考えている。セッションとは、ミュージシャン同士が即興で演奏をすること(ジャム・セッション)だ。

異性とのセッションとは、物理的に対面しての会話や、全体的な雰囲気を感じることだと僕は考えている。例えばスカイプなどでビデオ通話しても、セッションは完璧ではない。もっと五感で感じるものだと思う。これは、僕らが石器時代に身につけた感性だろう。僕らはいくら知能が発達しても、結局は動物なのだ。

異性とセッションをすると、化石を丁寧に掘り出すように、自分の波長が少しずつ発掘される。そうして自分1人ではわからない、自分の形がわかってくる。自分の波長とは、自分が重視するもののことだ。重視とは、ポジティブとネガティブな要素がある。ここでは、特にネガティブな感情に注目してほしい。

  • 自分が不快感を感じること
  • 最近ムカついた出来事
  • 許せなかったこと

これらを振り返ってみてほしい。また、異性とセッションしていると「ないわ〜」と感じたり「コイツ無理だわ」と感じるポイントが出てくることもある。それはなぜなのか?特に強烈な印象を受けたものは、忘れないでほしい。それがあなたの「波長」だからだ。これは個性がある。

僕はタバコが大嫌いだけれど、平気な人もいる。ちょっと嫌だけど、それほどでもないかな、という人もいるだろう。その「程度」を認識しよう。

もちろん好きなものに対する自分の波長を知ることも大事だが、パートナーを探すのならば、ネガティブ波長の一致が重要だ。好きなものがバラバラでもなんとかなるが、嫌いなものが違うと、これは互いに譲歩のしようがない。片方がずっと我慢するような関係は、長続きしない。

だから、嫌いなものが近しい人をまず探してみよう。その上で、好きなものが似ていれば、なお良い。完全な一致はない。近しい相手を探そう。

こうして考えてみると、運命の人とまではいかなくても、まぁ一緒にいてもいいかなという人は割と探し出せると思う。あとは、ネットではなくてリアル世界で五感を使ってセッションしながら、探してみよう。

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