【感想】サウザー白熱教室 零時レイさん編

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聖帝白熱教室
サウザー白熱教室レビュー記事。今回は零時レイさん編。
私ヤコバシ、本作のVol.2~4の紹介文を担当させていただきました。
(noteページへ飛びます)

零時レイさんについて

Amazon書籍の筆者紹介文より)
慶應大学卒。同大学院政策メディア研究所研究生を経て、渡仏。パリ大学修士準備コース中退。3年を経て帰国後、5年間ひきこもる。人格崩壊の危機を感じていた2011年、33歳にして初めてナンパと出会い衝撃を受ける。ベテランすご腕ナンパ師20人から教えを受け、彼らの技をNLP理論を元に分析・分解しつつ、習得に励む。2014年5月、「ナンパ師は最強すぎて死なない」ことを実証するため、会社を辞職。2015年1月、ナンパした女のツテで某食品会社下請けの代表に就任。さらなる高みを目指して全力で仕事をサボり、すご腕の技を一般人も学習可能な形に落とし込んだ「NLPナンパ師トレーニングプログラム」を開発。2015年5月より、NLPナンパ研究所「スパルタ部」を発足。現在、ナンパ先進国日本から、世界最高水準のナンパ技術を確立し、世界に向けて発信するべく奮戦中。
(Amazon書籍の筆者紹介文より引用)
書籍

『ナンパが最強のソリューションである』(2019)

恋愛工学でも、PUAでもない、NLP理論を駆使した理論派が零時レイさんだ。

品種改良と家畜化

人類は、度重なる戦争の歴史を経て、その凄惨さにコリゴリしている。何度も何度も、人類は戦争によって、滅亡しかけた。悲劇が繰り返された。その対策として、人類は戦争を起こさないように、自らを品種改良していく。
好戦的なものを牢屋にいれて断種して、危ない気質のものはかっこ悪いという価値観を教育した。結果、おとなしくて争いを好まない性質の者が繁殖して、人類は戦争という災禍を克服しつつある。
ただ、その反面、特に男性は元々持っていた「オス」としての闘争心なども失ってしまった。精神的に去勢されてしまったのである。このように家畜化が進んだ男性は、戦争回避の為には有用であるのだが、原始の本能を持つメスの目には魅力的に映らない。メスは、いかに後天的に教育されようとも、原始時代に身に付けた本能は簡単には失わなかったからだ。
このメスの本能に対してハッキングをかけていくことが恋愛工学であったり、PUAメソッドであったりするのだが、本作では零時レイさんが発見した新たなるメソッドを聴くことができる。
本作を聴くことによって、まず自分が遺伝子的に品種改良されていることに気付くことができる。また、これまで受けてきた教育や、世間の常識によって、知らず知らずのうちにマインドブロックを重ね掛けされているのだと、気がつくことができる。
この「気が付く」ことはとても大切だと思う。
気が付くことから、全てが始まるからだ。気がつかなければ、進歩はない。

恋愛工学との違い

サウザーさんをはじめとする恋愛工学は、筋トレなどの見た目改善や各種ルーティンの修得により、自分の戦闘力を高めていく。自身を鍛え、使えるワザ(ルーティン)を覚えて、プロトコルという戦術を身に付ける。その総和の力でもって、倒せそうな相手(女子)を狙っていく、試行回数を増やしていくということがポイントになる。なぜなら恋愛工学はモテの定義を
セックス回数=ヒットレシオ×試行回数
と定義しているからである。恋愛工学における「モテ」とは「セックスの回数」と定義しているから、このような式になる。
一見、何の問題もないように見えるのだが、このロジックには実は限界が存在する。それは、自分よりも強い相手には成功率(ヒットレシオ)が低いため、手を出すのが効率的ではないという点だ。つまりスゴイ美人には各種ルーティンが効きにくい…という特性がある。彼女たちには余裕があるからだ。したがってヒットレシオが極端に低い相手になるので、特に自身のレベルが低いうちは、美女というのは相手にしてもうまみは少ない。つまり恋愛工学生が特上レベルの美女にチャレンジするのは、実力が高まりきった末になると予想される。
対して、零時レイさんはいきなり美女に挑戦すべきだという。レイさんはモテを「セックス回数」で測らないためだ。というか、セックスそれ自体を目的にするのではなく、セックスを手段とし自己啓発を行うことが大切だとレイさんは語る(後述する)。

まず階級を上げる

先述の恋愛工学は「トレーニング→階級アップ」の順で強くなっていく。トレーニングをするから強くなって、成果を出して、さらにレベルアップしていく。
対してレイさんの手法は「戦場の階級を上げる→自分を追い付かせる」という流れで自分の強化を行う。
恋愛工学が、じっくりと年輪を増やして太くなる木の幹のような成長をするのに対し、レイさん流は、まず大きな器に飛び込んで、その器に合わせて自分を急激に成長させる、という手法になる。器をどんどん大きくすることにより、最初はもちろん上手くいかないが、ハイレベルの猛者たちに揉まれる中で急速に成長する、というメカニズムなのだ。
恋愛工学はスライム→ドラキー→…→ドラゴンと徐々に相手を強くしていく。その中でレベルアップして、その結果としてドラゴンと互角に戦えるようになる。これに対して、レイさん流はいきなりドラゴンと戦う。もちろん、ドラゴン相手なので勝てないのだが、その戦闘の中で急激に成長するというプロセスを用いる。
まず階級を上げて、その中でギリギリの戦いをするからこそ自己啓発されるのだとレイさんは語る。

自己啓発とナンパ

本作では「自己啓発」という言葉が何度も登場する。また、よくビジネス書でも「自己啓発」というジャンルの本も多い。これらは、一体何なのであろうか?また、ナンパと自己啓発がなぜ結びつくのか、疑問かと思う。
本記事の冒頭に述べた、人間の品種改良と家畜化を思い出してほしい。特に人間のオスは、闘争心などを削ぎ落とされて、戦争をしにくいように品種改良されている。その品種改良は、先天的な、遺伝子的な選別もあるのだが、後天的にかけられる「マインドブロック」によるものも大きい。マインドブロックは、幼き頃から、親の教育や、学校の教育でかけられていく。社会に出たら、会社組織によって、さらにマインドブロックがかけられていく。
目上の者に逆らってはいけない、嫌なことでも我慢しなくてはいけない、女性に軽々に手を出すことは悪いことだから自重しなくてはならない…そんな風に、いわゆる「常識」としてマインドの奥底にまで刷り込まれている価値観。これをマインドブロックという。
このマインドブロックを外すことを、レイさんは「自己啓発」と呼び、そのために有効な手段が「美女を相手としたナンパなのだ」と結論付ける。
先述の通り、美女を相手としたナンパは、ドラゴンとの戦いであり、非常に難易度が高い。その戦いの中では、否が応にもマインドブロックを外さねば戦いきることも難しい。また戦いの中で自身のマインドブロックの存在にも気がつく。そのマインドブロックとの戦いこそが自己啓発であり、レイさんはこれを至上命題としている。
だから、レイさんはセックスそれ自体をゴールとはしていない。セックスはあくまでも自己啓発という目的のための「手段」なのだ。
単なるナンパテクニックに終始せず、かつ現代の男性が抱える根深い問題をつまびらかにした本作は、非常に勉強になる一本だ。
特に、自分が品種改良されていて、マインドブロックをかけられているんだという事実に気がつくことができる機会は貴重だと思う。白熱教室マニアである僕からも、本作はオススメの一本だ。

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